うつ病のまわりの人も覚えておくべき【心療内科医が解説】調子が悪いとき・つらいときの休み方

うつ(鬱)状態になると、どのような傾向が見られるのでしょうか。感じ方、考え方、行動の3つが変化すると言います。気分の落ち込みや意欲低下からの回復、心を楽にするためにはどうしたらいいか、専門家監修のもと詳しく解説します。

取材先:川村則行さんのプロフィール

かわむら・のりゆき。川村総合診療院院長。1961(昭和36)年生まれ。東京大学医学部医学科卒業。同大学院博士課程(細菌学)修了。国立精神・神経センター心身症研究室長などを経て、2011年開業。臨床分子精神医学研究所所長。近著に『うつ病は「田んぼ理論」で治る』(PHP研究所刊)

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「うつ状態」「抑うつ」「うつ病」の違いとは?

落ち込んで憂鬱な気分が続くことを「うつ状態」「抑うつ」「うつ病」などといいます。

「うつ状態」と「抑うつ状態」は基本的には同じ意味で使われており、うつ病とまではいかないが、精神的なエネルギー低下が起き、気分の落ち込み、無気力になる、やる気が出ない、憂鬱になる、疲れやすい、動けないなどの症状が出ている状態のことです。

「うつ病」は気分障害の一つで、これらのうつ状態(抑うつ状態)の症状が重く、長く続くことで生活に支障が生じている状態を指します。うつ病では、不眠などの睡眠障害も見られます。

また、うつ病と見分けが難しい病気として、うつ状態と躁状態(気分が高ぶり活動的になる)を繰り返す病気に「躁うつ病(双極性障害)」があります。

統合失調症や器質性精神障害などうつ病以外の精神疾患の人も、うつ状態になることがあります。

また、精神疾患を持っていない人も、悲しいことが起きたとき、対人関係で悩みを抱えているとき、大切な人に不幸があったとき、大きな環境の変化が起こったときなどに、うつ状態になることがあります。

うつ病などの気分障害は、更年期以降の女性に多く見られるため、注意が必要です。