うつ病のまわりの人も覚えておくべき【心療内科医が解説】調子が悪いとき・つらいときの休み方

うつ状態のときや、うつ病治療で大切なこと

ここからは、うつ状態のときや、うつ病治療で大切なことをご紹介します。

家族や身近な人など、周囲の理解

気分が落ち込んでいるときは、家族や友達、職場の同僚など、周囲の人の理解や協力が非常に重要になります。周囲の人から理解を得られず、苦しんでいる人も少なくありませんが、うつ病は怠けや努力不足ではなく、うつ病の人にしかわからないつらさがあります。

吐き出せない感情を抱えてつらい人は、信頼できる医師やカウンセラーなど専門家に苦しい想いを吐き出すといいでしょう。

もしも周囲の人がうつ状態で苦しんでいる場合は、「気の持ちよう」「がんばれ」などの言葉は禁物。温かく見守ることが大切です。

十分な休養、睡眠

過労や不眠、心配事などのストレスが続くと、うつ状態やうつ病の発症につながります。つまり、うつ状態の人は非常に疲れている状態であるため、十分な休養と睡眠が必要です。

1か月で改善する人もいれば、3か月や6か月以上かかる人もおり、休養期間は人によって違いがありますが、焦らずゆっくりと休む時間を取ることが大切です。

ストレスのコントロール

ストレスが蓄積され続けると、うつ状態やうつ病につながります。症状の緩和や再発防止のためには、ストレスのコントロールが大切です。

ストレスのコントロールにはさまざまな方法があるため、専門家にアドバイスを受け、自分に合ったコントロール方法を見つけるといいでしょう。

適切な治療を受ける、薬を飲む

うつ病の主な治療方法には「休養」「薬物療法」「精神療法」がありますが、1つのみではなく「休養しながら薬物療法を行う」など、組み合わせて治療することが多いです。

多くの場合、うつ病は薬を飲んだ方が早く回復するといわれています。

自己判断で治療をやめない

症状が治まってきたから薬をやめるなどの自己判断は、うつ状態やうつ病のときにやってはいけないことの一つです。

服薬によって症状が消えたように見えても、油断はできません。うつ状態を再発させないためにも、症状が消えたからといって自己判断で治療をやめないことが大切です。

焦らず、無理しない

うつ状態やうつ病は「怠け」や「心の弱さ」ではありません。気を奮い立たせたり、無理をして治るものではないのです。

うつ病の治療は、少しずつ時間をかけながら進めていくものであり、少し気分がよくなったり、悪くなったりを繰り返しながら徐々に改善していくため、時間がかかります。

病院での治療を開始したからといってすぐに治るものではないため、焦らず無理をしないことが大切です。

(広告の後にも続きます)

うつ状態のときは無理せず、ゆっくり休むことが大切

気分が落ち込む、やる気が出ない、動きたくない、外に出たくないなどのうつ状態は、どんな人にでも起こる可能性のある症状です。

ストレスを受け続けるとうつ状態やうつ病につながることがあり、これらの症状が出ているときは無理をせず、焦らず、ゆっくり休むことが大切です。

更年期以降の女性はうつ病などの気分障害の患者数が多いため、ストレス発散をする、ひどい落ち込みがある場合は早めに専門家に相談してみましょう。

※この記事は2022年7月の記事を再編集をして掲載しています。