植物たちも葉を落としはじめ、庭景色も落ち着いてくるシーズンですが、ガーデンではいろいろな生き物たちが日々活動をし、ガーデナーを楽しませてくれます。ドイツ出身のガーデナー、エルフリーデ・フジ-ツェルナーさんの庭も、すっかり秋景色に模様替え。秋の庭で出会う生き物やオータムガーデンに咲く花をご紹介します。冬に向けた庭支度の際に気をつけたい、ケガ防止のための安全のポイントも併せて解説します。

ガーデンにも秋が到来


Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

辺り一面、どこを見ても落ち葉、落ち葉、落ち葉! こんな素敵な光景が見られるのは、一年でもこの時期だけの、貴重な季節です。

木々は一年を通してたくさんの喜びを運んでくれます。新しい季節の始まりを告げる春の瑞々しい新葉、降り注ぐ陽射しや雨から守ってくれる夏の木陰、そして秋にはさまざまな美しい色彩へと紅葉し、目を楽しませてくれます。


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日本の秋の鮮やかな美しい紅葉を知っている方からすると、色あせた落ち葉を愛でるのは不思議がられるかもしれませんが、私は落ち葉も大好き。散り敷いた葉の絨毯や、ところどころに集められた落ち葉の山など、とても魅力的です。冬の庭のどこかに、こうした落ち葉の山があったり、灌木の足元を覆うマルチングとして使われていると、嬉しくなってしまいます。

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ガーデンで暮らす生き物たち


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さて、ドイツでは、多くのガーデナーが庭にハリネズミたちの棲むスペースを作ろうと工夫を凝らしています。そのため、庭の静かな一角に落ち葉を積み上げ、ハリネズミたちの休息場所を作っているシーンもよく見られます。


落ち葉の中で眠るハリネズミ。Petr Bonek/Shutterstock.com

しかし、近年のガーデンシーンでは、ロボット芝刈り機によってハリネズミたちがケガをしたり死んだりしてしまう事故も多発しています。


Fetrinka/Shutterstock.com

一般的なロボット芝刈り機は、ワイヤーを芝生の周りに設置し、芝刈りする範囲を設定します。ロボットはこのワイヤーによって刈り込むエリアや充電用ドックの位置を認識し、また大きな障害物も避ける場合が多いですが、動き回る小さな動物については配慮されません。芝刈りの作業に大いに役立つロボット芝刈り機ですが、反面、野生生物の生活にとっては異物となります。私にとっても、稼働中のロボット芝刈り機があると気になってしまい、せっかくの庭時間もなかなかくつろげません。

もっとも、中にはロボット芝刈り機を賢く利用している鳥もいます。仕事中のロボット芝刈り機についてまわっている鳥たちは、芝刈りの際驚いて飛び出す虫たちを狙っているのです。