劇的に改善!痛くて歩けない【外反母趾】3週間で痛みを治す方法&歩き方のポイント

外反母趾の人は足裏全体を使わない「隠れ浮き指」の可能性があると、足指研究所・湯浅慶朗さんは指摘。今回は足指ストレッチ・ひろのば体操を実践し、BEFORE・AFTERをご紹介。3週間で外反母趾の足の痛みを治す方法と歩き方のポイントも解説!

外反母趾を改善したい!「足指ストレッチ」と「靴選び」

外反母趾による足の痛みは、靴の中で足が滑る→筋肉が萎縮する→筋肉が硬くなる→動きづらくなる→動かすと痛みが出る、という流れで生じます。

外反母趾の症状を改善するためには、足に合った靴選びとともに、委縮して硬くなった足裏の筋肉を緩めることが大切です。私のクリニックでも「足指を広げるケア」に徹底的にこだわっています。

足を広げて伸ばすストレッチ「ひろのば体操」は、簡単にできて、やればやるだけ確実に効果が出るので、積極的におすすめしているセルフケアです。

今回は、患者さんの足の写真とフットスキャンで計測した足底圧のデータを元に、実際にどの程度改善するのか、足指ストレッチ・ひろのば体操の効果を紹介したいと思います。

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外反母趾の人は足裏全体を使わない「隠れ浮き指」

これまでもお話ししてきたように、外反母趾の前兆として足指の機能不全や変形が起こるため、その段階で外反母趾を予防することが大切です。また、すでに外反母趾になってしまった人も、ストレッチで足指の変形を改善することで、痛みの症状を緩和できます。

「浮き指」や「屈み指(かがみ指)」などの足指の変形が起こると、親指に力が入らず地面を踏み込めなくなるため、負荷がかかる腰や膝など、足から離れた場所に痛みが現れることがあります。下の写真は、膝が痛い症状がある患者さんの足の写真です。

Aさんは外反母趾、Bさんはかがみ指の症状がありますが、パッと見た限り、足の裏は地面についているように見えます。

しかしフットスキャンで足底圧を計測すると、ところどころ足指が地面についていないのがわかります。

オレンジや赤色になっているところは、体重が乗りすぎている部分で、足裏に均等に体重が乗っていないことを示しています。

Aさんは、左足のかかとの部分に体重がかかり過ぎていることで、指がきれいに写っていません。Bさんも両足のかかとに体重が乗り過ぎていて、足裏の外側の部分に赤色が目立つ一方で、両足の指がほとんど写っていません。

これが「隠れ浮き指」です。隠れ浮き指は、見た目には地面に接地していますが、足指の圧(足指圧)が足りないことを言います。そもそも足の指先には体重の60%が乗るので指が緑色に映り込むのが自然ですが、後ろ重心になっているので、指が写らないというわけです。

特に膝の痛みがある人は小指、腰痛がある人は親指が写らないことがほとんどです。Aさん・Bさんの場合も、この「隠れ浮き指」が膝の痛みの原因と考えられます。

明らかに地面から浮いている「浮き指」は判定しやすいですが、フットスキャンを使わないとわからない「隠れ浮き指」は、気づかないことが多いので、注意が必要です。自分で調べるには、足の間に紙を差し込んでチェックするとわかりやすいと思います。

では、健康な人はどうなっているかというと、下の写真のように見えます。

親指から小指までしっかり写っていますね。実はこれ、先ほど紹介したAさんとBさんのものです。足指のケアを行うことで、健康な方と同じ足底圧になったのです。

足裏全体にバランス良く体重がかかっているため、オレンジ色の部分が少なくなり、黄緑色が目立つようになっています。指もきれいに写るようになりました。

画像の上下左右に記載されている水色の数字が重心バランスの数字で、健康的な人の重心バランスは、足指先に60%・かかとに40%と言われています。Aさんの重心バランスは足指先は34.9%→59.7%に、Bさんは41.1%→54.9%に改善しました。