原因の解消に寄り添い、夫自身が変わるきっかけを作る
mits / PIXTA
なおcさんがこれまで通り、夫に「このだらしなさを何とかしてくれ」と言っても、たぶん改善しないでしょう。
その理由は、片付けたり、だらしない生活から脱出したりする意欲を持つ前に、なおさんが「こうして欲しい」と伝えることを諦めて、代わりに片付けてくれたり、だらしなさを黙認してくれているからです。
この状況を作ることも、夫の目的の一つかもしれません。
何かのきっかけを夫にもたらさない限り、今の状況は変わらないと思います。
また、「会社で仕事ぶりを評価されていない」というストレスが、この結果を生み出している可能性もあります。
もし当てはまるようであれば、家族みんなで夫にねぎらいの言葉をかけることを習慣化しましょう。夫が何十年もがんばってきた仕事の評価に値する、感謝の言葉を贈るのもいいと思います。
そうすれば張り合いが出て最後の意欲が湧き、生活も改善してくるのではないでしょうか。
物事の全てに原因と結果があります。
通りいっぺんの判断で結果だけを指摘し、直してもらおうとするのでは改善にいたりません。もっと奥深い原因を究明をし、脱出のきっかけ作りを考えると、みるみる改善することがあります。
意外なところに原因があることの例で、『風が吹けば桶屋が儲かる』ということわざがあります。
風が吹くと土ぼこりがたって目に入り、盲人が増える。盲人は三味線で生計を立てようとするから、三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える。猫が減るとねずみが増え、ねずみが桶をかじるから桶屋がもうかって喜ぶ、ということだそうです。
この例えのように、なおcさんの夫のだらしなさは、意外なことが原因かもしれません。
せっかく縁あってここまで歩んできた夫婦。これからもいろいろなことを、わかり合えるといいですね。
回答者プロフィール:岡野あつこさん
おかの・あつこ 夫婦問題研究家、公認心理師。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。34年間で4万件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)、『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(講談社)がある。
・離婚相談救急隊運営
・YouTube「岡野あつこチャンネル」
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