今すぐ知りたい!老後に必要なお金を把握する「ライフプラン」の立て方【専門家監修】

ライフプランをシミュレーションする

ライフプランについて初めて知った人は、「自分で一から作るのは大変……」と思うかもしれません。しかし、ライフプランを簡単にシミュレーションできるサービスがインターネット上にたくさんあります(日本FP協会や、金融庁のウェブサイトなど)。ライフプラン表はキャッシュフロー表とも呼ばれています。詳細はサービスごとに若干異なりますが、自分や配偶者の年齢、職業、収入、子どもの人数、貯蓄額などをガイドに従って入力するだけ。そうすることで、自動でライフプランを設計し、その診断結果が表示されます。

ライフプラン表では、年齢ごとの収入と支出、貯蓄残高の目安も出るのが一般的で、自分の将来の貯蓄残高状況の推移などをイメージすることができます。また、赤字や黒字になる場合も見えてくるため、老後資金として自分でこれからいくら準備する必要があるのか、ということもわかります。

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ライフプラン表を作る

インターネット上にあるライフプラン表を使ってシミュレーションする他、ライフプラン表を自分で作ることもできます。ライフプランを簡単にシミュレーションできるウェブサービス同様、インターネット上にはライフプラン表を自分で作るためのテンプレートが無料でダウンロードできるサービスも数多くあります。これらを利用すれば、自分独自のライフプラン表ができます。ライフプラン表の作り方のおおまかな手順は次の3ステップです。

手順1:目標を設定する

ライフプラン表を作る上で大切なのが、老後をどんな人生にしたいのか、どんな生活を送りたいのか、その目標を立てることです。これがライフプラン表のベースとなります。目標は1~2年の短期目標から、3~5年の中期目標、6~10年までの長期目標に分けて、それぞれ書いていきましょう。

このときの目標は、漠然とした内容ではなく、できるだけ具体的な内容を記載することがポイントです。例えば「温泉旅行に行きたい」ではなく、「1年に1度は家族みんなで温泉旅行に行く」という具合です。目標に数字も入れて具体化することで、その目標を現実的に捉えていくことができるようになります。

手順2:ライフイベントを入力する

目標を設定したら、次は家族構成とそれぞれの年齢も入力していきます。そして、これから起きる人生の出来事(ライフイベント)を入力していきます。50代の方なら、子どもの高校入学、高校卒業、大学入学、大学卒業、独立、介護、リタイア(退職金の有無)などがあるでしょう。

また上記以外にも、「3年に1回は旅行に行きたい」「5年おきに新しい車に買い換えたい」「10年後に自宅をリフォームしたい」など、今後の希望する出来事も合わせてライフプラン表に記載していきます。

さらに、ライフイベントと合わせてそれに必要な金額も入力しましょう。子どもの教育資金(高校3年間や大学4年間の費用)、結婚祝い、車の購入額、旅行費用、葬儀費用等、家のリフォームや住み替え、などを洗い出していきます。金額がわからない場合は、インターネットなどで平均金額を調べて予想した金額で構いません。

手順3:収入と支出、現在の貯蓄残高を入力する

最後は、家族の収入と支出、現在の貯蓄残高の入力です。収入は、想定される給与やボーナス、退職金、公的年金などが該当します。このとき大切なのは、給与明細や源泉徴収票に記載されている額面の金額を入力するのではなく、手取り額を入力すること。実際に収入として手にするお金は額面上の金額ではないため、手取り額を入れることが大切になります。なお、財形貯蓄制度など給与天引きで貯蓄している分については手取り額にプラスして入力し、個人年金保険等に加入している方は、将来の受取予定金額を入力します。

また、定年退職後に再雇用になる場合の収入減、年金生活に入った後の収入減についても考えなければなりません。毎年誕生月に送られてくる、ねんきん定期便から将来の年金見込額を大まかに計算することができます。 

支出は、基本的な生活費や住宅ローン返済などの住居費、教育費、車両費、保険料などをまとめていきます。住宅ローンの返済予定についてもライフプラン表に入力しましょう。また、手順2で作成したライフイベントで必要な資金については、一時的な支出として入力しましょう。

そして、現在の貯蓄残高を入力しましょう。現在ある預貯金や株式、投資信託などの現在の時価を含めた合計額を入力します。なお、毎月積み立てなどで定期的に貯畜を行っている分については改めて入力する必要はありません。収入額と支出額がきちんと入力されていればその差額が貯蓄できているということになります。

最後に、この作成したライフプラン表上の年間支出額の合計が、実際の支出額と合っているかどうかをチェックする必要があります。実際のところ、支出額を細かく把握しておくことはとても難しく、多くの場合支出の計上漏れが出てしまいます。そこで、貯蓄残高から逆算して実際の支出額を計算してみることをおすすめします。

例えば、1年前の貯蓄残高が500万円、現在の貯蓄残高が520万円、そして意識的に積み立てた1年間の貯蓄額が50万円だとします。そうすると、確かに50万円積み立てたはずなのに結果的に20万円しか貯蓄残高が増えなかったということは、1年間で手取収入プラス30万円分の支出があった、ということになります。こうした計算をもとに支出の計上漏れがないかどうかチェックしておきましょう。

これでライフプラン表は完成です。