首都圏では地価が上がり、外国人移住者も急増。リモートワークの普及や高齢化による住み替えなど、住宅市場全体に大きな地殻変動が起きている。結果、なかには「住むとヤバい街」も。事情に詳しい識者に首都圏の街をランキング化してもらった。
今回は害虫・害獣被害がヤバい街を紹介する。“住みたい街”として人気のスポットのあの地域が…
◆足立区や大田区では海外由来の害虫が増加
最近は若者を狙った悪徳業者による高額請求詐欺が話題になるほど、害虫・害獣の被害が増加。そこで害虫獣SOSの石井健伍氏に、害虫・害獣に悩まされる街を聞いた。
「トコジラミの被害が急増しているのは、京急線沿いの東京・大田区です。インバウンド需要で来日した海外旅行客が空港からホテルや民泊、電車などに持ち込み、そこから住宅街に広がってしまうケースが多い。トコジラミは刺されてかゆみが出るまでに1か月ほどかかるうえ、個人が市販薬レベルで完全に駆除するのは不可能。なので、業者が相談を受けたときにはすでに部屋中で繁殖してしまっている場合がほとんどです」
◆クロゴキブリの5倍の繁殖力を持ち、マンション一棟全体に蔓延
また、東南アジア系の外国人住民や民泊物件が増えている足立区で被害が拡大しているのが1.5㎝ほどのチャバネゴキブリだ。
「トコジラミと同じように持ち込みが原因で室内にすみ着くのが特徴。例えば、本国から食材や荷物を送ってもらう際に卵が混入していて、ふ化した幼虫が電化製品や家具のなかで繁殖していることが多い。さらに厄介なのが、一般的によく見るクロゴキブリに比べて、繁殖率が5倍以上もあります。ひどい現場では、ひと部屋から被害相談を受けて調べると、マンション一棟がチャバネゴキブリに汚染されているところもありました」
◆ハクビシンに悩まされる“住みたい街”人気スポット
都心部の繁華街ではネズミの被害が深刻だが、郊外では季節の変わり目に相談件数が増えるのはハクビシンだとか。
「神奈川の鎌倉は“住みたい街”として人気のスポットですが昔から被害が多く、特に10~12月は寒さを逃れるためハクビシンが住宅に侵入する時期。屋根裏の騒音や溜め糞による悪臭が原因で、睡眠障害やダニ被害に悩まされる住民は少なくないです」
気づかぬ間に害虫・害獣に自宅が侵食されていたら、たまったものではない。
◆害虫・害獣被害がヤバい街3
1位 大田区(東京都)
管理の甘い民泊の増加も被害拡大の要因に
2位 足立区(東京都)
海外から送られてきた段ボールにはご用心
3位 鎌倉(神奈川県)
閑静な人気エリアを騒がす害獣が大暴れ
【害虫獣SOS・石井健伍氏】
株式会社ハウステクト(害虫獣SOS)取締役。首都圏を中心にゴキブリやトコジラミ、ネズミなどを駆除する専門家。年間3000件以上の駆除作業を行う
<取材・文/週刊SPA!編集部>
―[首都圏[住むとヤバい街]ランキング]―