売る側の根絶と、買い手の意識の変化を

立ちんぼと遊びたがる人全員が、この考えに当てはまるわけではない。けれども、おそらく大半の人間は危機管理能力が薄いのだろう。

大衆の目も気にせず興味や好奇心を優先し、いくつかのメリットを見いだすからこそ、あの街には購入者が絶えず訪れる。売る側ももちろん悪いが、買う側もいかがなものだろう。

それに、非公式の世界に飛び込んだ理由がネットニュースなのも引っかかる。重い社会問題を面白おかしく取り上げる記事も実際に多いため、A男がその手の内容を読んで興味をそそられたのなら、ウェブメディアもまた同罪ではないか。

稼ぐ方法や仕事があふれんばかりの世の中で、立ちんぼが流行ってしまうのは、社会の闇としか言いようがない。もっと深刻に考えるべき問題だからこそ、大人たちが率先して助長するのは言語道断だ。

夜遊びをするなとは言わないけれど、これ以上闇を深めないためにも立ちんぼを買わないでほしいと思う。売る側の根絶はもちろんのこと、買い手の意識も同時に変化しなければ、事態はさらに悪化するかもしれない。


【プロフィール】
たかなし亜妖

2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。