数日後、驚きの展開に
そんな事件の数日後。隣の店から弟が血相を変えて怒鳴り込んできました。
「お前、どんな手を使って俺のスポンサーを横取りした? 好きでもないババアにこびを売ってやっと出資させたのに、こっちを打ち切って、お前の店に資金提供するとか抜かしやがった!」
私には何のことやらさっぱり。そこに、あの母娘が手をつないで現れました。今日はきれいな格好をしていて、後ろには優雅な年配女性も一緒です。
「先日は、強盗に襲われた娘と孫娘が本当にお世話になって……。犯人は無事捕まりました。実は私、あなた方のご両親のお料理のファンでしたの。亡くなられたと伺って、その息子さんのレストランならぜひにと出資させていただいたのですが……。私としたことが、どうやらお店を間違えたようです」
そう、年輩女性は弟の店のスポンサーでした。彼女は私に向き直り、「これからはこちらのお店を支えさせてください」とほほ笑みました。
その後、私の店について悪質な書き込みをしていたのが弟だったと判明。おまけに、スタッフの給料や改装費用の未払いも発覚し、借金返済のため店を売却することに。買い上げたのは例の年配女性で、なんと私に経営を任せてくれることが決まりました。
これからも父母の店を守り、お客さまを大事にしながら、おいしい料理を出し続けていこうと思います。
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人としても経営者としても対照的な兄と弟。レストランの雰囲気も料理の腕も成功を収めるには大切なことですが、やはり誠心誠意、目の前にいる人と接することが一番大事ですよね。
著者/ウーマンカレンダー編集室/スカッと
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