厚生労働省は、薬剤師や登録販売者がいないコンビニなどの店舗でも一般医薬品(市販薬)を購入できるよう検討していることが分かりました。2024年内にも専門部会で方針をまとめる方向です。そして、2025年には国会への法案提出を目指し、早ければ2026年にはコンビニで市販薬が購入できる見通しとなっています。

一般医薬品(市販薬)とは 



【画像出典元】「stock.adobe.com/benjaminnolte」

一般医薬品とは、医師に処方してもらう医療用医薬品ではなく、薬局やドラッグストアなどで処方箋なしに購入できる薬のことです。処方箋なしに購入できる薬は、一般医薬品と要指導医薬品に分類されます。

3種類の薬のうち、最もリスクの高いものが医療用医薬品。医療用医薬品に準ずるのが要指導医薬品。3種類のうち最も低リスクなものが一般医薬品というわけです。

一般医薬品はさらに第1類医薬品(特にリスクが高いもの)、第2類医薬品(リスクが比較的高いもの)、第3類医薬品(リスクが比較的低いもの)に分かれます。これまで、リスクの高い第1類医薬品や第2類医薬品はもちろん、リスクが比較的低いとされている第3類医薬品も薬局やドラッグストアでしか購入できませんでした。

それぞれの主な製品例は以下の通りです。

●第1類医薬品
ロキソニン、ガスター10、リアップ、バファリン、 ファモチジン

●第2類医薬品
バファリンA、新ジキナエース、ロート防風通聖散錠

●第3類医薬品
ハイチオールC、ザ・ ガードコーワ整腸錠、エアー サロンパスEX

厚生労働省のまとめによると第1類医薬品の商品数は約120、第2類医薬品は約8610、第3類医薬品は約2594に上ります。市場規模は第1類医薬品が約484億円、第2類医薬品が約6110億円、第3類医薬品が約2573億円。3つを合計すると、約9100億円となります。 

(広告の後にも続きます)

一般医薬品のメリット


手のひらの上のプラスマーク
【画像出典元】「Dilok Klaisataporn/Shutterstock.com」

一般医薬品の一番のメリットは何と言っても、医療機関以外でも購入できる点でしょう。医療機関が開いていない時間でも薬を買えますし、病院を受診する時間やお金を節約できます。夜遅くまで営業しているドラッグストアであれば、日中時間がなくてなかなか病院に行けない方でも仕事帰りなどに薬を購入できます。

また、医療費控除を受けられる可能性がある点もメリットです。医療用医薬品のうち、副作用が少なく安全性の高いものを一般医薬品に転用したものをスイッチOTC医薬品と言いますが、スイッチOTC医薬品は医療費控除を受けられます。

スイッチOTC医薬品の購入金額が、年間1万2000円を超えた場合に確定申告をすると、その超過分の金額が課税所得から控除され、所得税・住民税が安くなるのです。