外構工事とは、一般的には住居の外回り工事のことです。しかし、具体的にはどんな工事内容なのか、誰にどんなタイミングで依頼すればよいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
この記事をお読みいただくと、外構の意味や外構工事でできること、依頼できる業者の種類や費用相場もわかります。
工事費用を抑えるためのポイントも解説していますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
外構工事で機能性や動線に優れた住空間を手に入れた実例はこちらからご覧いただけます。
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外構工事とは?
そもそも外構とは?
外構工事の内容に入る前に、そもそも外構とは何か、その意味や範囲について押さえておきましょう。
外構とは「建物の周り」のことで、具体的には門扉や塀、フェンス、ポスト、ガレージ、カーポートなどの構造物全般を指します。
なお、外構と似た言葉に「エクステリア」がありますが、エクステリアは「インテリア」と対になっており、厳密には住居を含む敷地全体を空間として捉え、デザインするための概念です。具体的には、構造物に加えて植栽や看板、光源といった装飾的な要素を含み、住居の外壁や屋根も対象として含まれることがあります。
昨今では同じ言葉として使われることが多いですが、外構を対象とする業者やエクステリアのデザインを得意とする業者もあるため、違いを押さえておくとよいでしょう。
外構工事とは?
外構工事は、敷地内に必要な構造物を設置したり、住まいとして使いやすくするために地面などを整備したりする工事のことです。
外構工事を依頼する場合、主に2つのパターンがあります。1つ目は家を新築するタイミングで建設業者に外構工事も依頼するパターンです。2つ目は外構工事の専門業者に直接依頼するパターンで、住居の新築やリフォームと並行して行う場合もあれば、必要な工事のみを依頼するケースもあります。
なお、家の建築中に別の業者に外構工事を依頼する場合は、建物の建設業者の了承を取るようにしましょう。
目的別|外構工事の具体例
外構工事の目的は主に以下の6つです。
・ プライバシーの確保
・ セキュリティの強化
・ 安全に過ごせる環境整備
・ 駐車場・駐輪場の確保
・ 建物と調和のとれた敷地の整備
・ アクティビティを楽しむスペースや設備の確保
それぞれについて、工事内容の一部をご紹介します。
プライバシーの確保
外部からの庭や家の中を見えにくくするための工事です。具体例として、塀や門扉、フェンスなどの設置や、庭木などの植栽などがあります。
セキュリティの強化
不審者の侵入を防ぎ、犯罪から家族を守るための工事です。高めの塀やフェンス、門扉、植栽などを設置して物理的に侵入を防ぐほか、犯罪を抑止する効果のあるセンサーライトや防犯砂利、防犯カメラなどを設置する工事があります。
安全に過ごせる環境整備
敷地内で安全に移動したり過ごしたりできるよう、環境を整えるための工事です。玄関アプローチを整備して道路から家までの動線を確保するほか、防草シート・芝生・砂利の敷設や飛び石の設置、転倒防止のためのスロープや手すりの設置などがあります。
駐車場・駐輪場の確保
駐車スペースを確保して乗り降りをスムーズにするほか、車を風雨や紫外線などから保護するための工事です。駐車スペースの地盤を整備したり、カーポート・ガレージ・駐輪場などを設置したりします。
建物と調和のとれた敷地の整備
庭と建物の調和や美観を重視して整えるための工事です。和風や洋風、モダンテイストやナチュラルテイストなど、住居の外観になじむ造園工事や植栽などがこれにあたります。
アクティビティを楽しむスペースの整備
趣味や家族団らんを楽しむスペースや設備の確保を目的とした工事です。ウッドデッキやテラスの設置、花壇や水栓・物置・ガレージの設置などがあります。
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3つの外構スタイルと特徴
外構工事はやみくもに進めるのではなく、住居の屋外部分を住まいとしてどのように整備するか、方針や方向性を定めて計画することが大切です。
ここでは、参考として、以下の3つの外構スタイルとその特徴をご紹介します。
・ オープン外構
・ クローズ外構
・ セミクローズ外構
オープン外構
オープン外構とは、門や塀、フェンスなどを極力設置せず、開放感を重視したスタイルです。植栽には、高さを抑えられる低木が好まれます。
オープン外構は、日当たりや風通しを確保しやすいのが特徴です。そのため、北向きの家でよく採用されます。3つの中では、費用も抑えやすいスタイルです。
開放的な空間が魅力ですが、門やフェンス以外の方法でセキュリティ対策をする必要があります。
クローズ外構
クローズ外構とは、建物や敷地の周りを塀やフェンス、生垣で囲うスタイルです。構造物で囲うことで周囲の視線を遮ったり、不審者の侵入を防いだりすることができます。
プライバシーやセキュリティ確保に優れているクローズ外構ですが、日当たりや風通しが確保しづらく、敷地面積によっては閉塞感が出る点に注意が必要です。また、建材や植栽の量も多いため、初期費用がかさむことも押さえておきましょう。
セミクローズ外構
セミクローズ外構とは、上記2つのスタイルの良いところを取り入れたスタイルです。目線が気になる箇所のみにフェンスや生垣を設けながら、ほどよく開放的な庭を楽しめます。
ただし、レイアウトによっては日差しや風の通り道を遮ってしまったり、閉塞感が出てしまったりすることも。工事箇所は部分的でも庭全体のデザインを考えながら設計する必要があるため、レイアウトの難易度は高めです。
費用はオープン外構よりはかかりますが、クローズ外構と比べると安く抑えられます。