イタリア発のラグジュアリーブランド「ロロ・ピアーナ」が今年、創業100年を迎えた。素材への探究心と職人技が紡いだ、その輝かしい歴史を振り返りながら、メゾンの現在を映し出す最新コレクションの数々にもフォーカス。
1924年に、ピエトロ・ロロ・ピアーナによって作られた織物工場。ピエモンテ州・セージア川の渓谷は、澄んだ水が必要不可欠な織物の生産に適した場所
1924年、自然豊かなイタリア・ピエモンテ北部のセージア川の渓谷にピエトロ・ロロ・ピアーナが設立した毛織物工場から、その歴史は始まった。上質な織物の生産に欠かせないきれいな水、そして地元で収穫される高品質の羊毛、さらに情熱を傾けて開発した専門技術。それらを武器に前進を続けた「ロロ・ピアーナ」は、世界に類を見ないラグジュアリーメゾンへと成長した。現在でも驚きの緻密さを誇る糸や生地を作り、イタリアで卓越した職人技を生かしたウェアやアクセサリー、家具を作り上げている。
毛織物商から羊毛の起業家へと転身した父のジャコモの意思を継ぎ、羊毛と織物の世界に進んだピエトロ・ロロ・ピアーナ
1940年代、創業者ピエトロの甥であるフランコが会社を引き継ぎ、先見の明があった彼は、アルパカ、カシミヤ、ビキューナなどを用いた高品質生地の製作にも着手してメゾンの礎を築く。
洗練されたスタイルとセンスが光る兄のセルジオと生地の生産に精通している弟のピエール・ルイジ。二人の活躍でメゾンは躍進
1980年代、フランコ亡き後、その息子のセルジオとピエール・ルイジの尽力により、メゾンはさらに進化。フォーマルウェア向けの洗練された織物メーカーとしての確固たる地位を固める傍ら、高品質素材を軸とした完成品の製造へと事業の展開も始める。1980年代初頭、ピエモンテ工場で生産されたカシミヤ生地を用いた美しいカラーバリエーションの“グランデ・ウニタ・スカーフ”は、幅広い製品が揃う現在の「ロロ・ピアーナ」を象徴するアイテムとして現在も人気が高い。スカーフの成功に続き、商品ラインを拡大し、ラグジュアリーグッズ部門も設立。レジャーウェアの生産にも乗り出し、話題を集める。その後、2006年にはインテリアプロダクトのデザインも始まり、ラグジュアリーなライフスタイルに寄り添う「ロロ・ピアーナ」へと進化を遂げる。
ヨット愛好家のセルジオと家族。自身のライフスタイルに合わせてデザインしたレジャーウェアは新しい顧客たちの獲得にも繋がった
もちろんメゾンは、常に素材の開発にも注力。画期的な技術や素材、ストームシステム®やペコラ・ネラ®ウールなどを世に送り出す。さらにメゾンの核であるカシミヤを調達している中国やモンゴルでは、地元のコミュニティと永続的なパートナーシップを結び、地域社会の保護や環境に配慮することで、カシミヤ産業を持続可能な方向へと導く努力も怠らない。自然が与えてくれる最高品質の素材に敬意を払い、卓越した技術と伝統、そして誇り高きクラフツマンシップが織りなすハーモニーが、今も昔も「ロロ・ピアーナ」の原動力となっているのだ。
乾燥させたアザミを使って、カシミヤやビキューナをブラッシングし起毛させる伝統的なマシン。現在も、この伝統的な手法を守り続けている
Vicuna
セルジオとピエール・ルイジが製品化を実現させた稀少性の高い高品質繊維、ビキューナ。「ロロ・ピアーナ」はペルー政府やアンデス地域社会と協定を結び、ビキューナの自然生態系と生物多様性の保護に尽力しながら、ビキューナ繊維の需要と価格を守ることで、ペルーの重要な経済支援も担う
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Cashmere
中国とモンゴルからカシミヤを調達している「ロロ・ピアーナ」。量より質を重視する姿勢と地域社会の保護に配慮することで、カシミヤ産業をより持続可能な方向へと導いている。そして、革新と研究、卓越した職人技、情熱的な人々の連鎖によって、世界最高峰のカシミヤ素材が生まれる
・イタリアと日本の職人技の革新的なコラボレーション「ロロ・ピアーナ」の最高にラグジュアリーなデニム