それでも年間上限額360万円を使い切りたい場合は?
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せっかくなので年間360万円の上限まで枠を使い切りたい人はどうすれば良いのでしょうか?新NISAの口座を開設している金融機関によって詳細は異なりますが、一般的には下記のような方法となるでしょう。
1.成長投資枠
成長投資枠は一括でのスポット購入が可能です。そのため最大240万円分の株式や投資信託をまとめて購入することができます。
2.つみたて投資枠
つみたて投資枠には購入タイミングを分けて購入するというルールがあります。また大部分の金融機関では任意のタイミングと金額で購入できるというボーナス購入という仕組みが取り入れられています。例えば毎月の購入金額は3万円、ボーナス月の7月と12月は5万円をプラスして購入といった具合です。この設定を使い、12月中にボーナス購入で上限まで購入するということも可能です。ただし証券会社に事前に入金しておく必要や、ボーナス設定ができる期限などもあります。そのため無理に上限額に達するようにしなくても良いと思います。
なお成長投資枠でもつみたて投資枠でも、2024年の非課税枠に収めるためには、購入日ではなく受渡日が2024年中にならなければなりません。
特に要注意なのが先進国株式や全世界株式、S&P500など海外のマーケットが関係する商品です。欧米ではマーケットもクリスマス休暇を取るため、購入のオーダーをして受け渡しされるまで1週間以上の時間が必要なこともあります。なるべく12月の上旬までに手続きを行うと良いでしょう。
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まとめ
2023年までの旧NISA制度を発展的解消という形で2024年からの新NISAはスタートしました。従来のNISAでは5年だった非課税運用期間が無期限になり、非課税投資ができる金額上限が成長投資枠とつみたて投資枠を合算して年間360万円に拡大、その投資枠を一度利用しても再利用が可能、というように個人投資家にとって非常に良い制度の改正となりました。ただし制度が良くなりすぎて、制度に振り回されているといった側面も感じられます。特に年間の上限額360万円まで購入した方が良いかという疑問は象徴的と言えるでしょう。
1.資産運用の前に生活費の予備費をしっかり準備する
2.余裕資金の全てを運用するのではなく、預貯金と運用商品の比率は1対1ぐらいにする
3.長期・分散・積み立てでコツコツと運用する
新NISAがスタートするにあたり、年間360万円と通算上限金額の1800万円という数字が一人歩きしていました。ただ年間360万円や通算上限の1800万円まで投資をできる人は限られています。
マネーゲームではなく、資産運用でしっかり増やすことを目標にするのであれば、自分ができる無理のない金額で継続することが重要です。その上で、投資する金額を少し増やしたいと思った時に、可能な金額を追加するということで十分です。
繰り返しになりますが、新NISAの最大のメリットは非課税運用期間が無期限になったことです。年間の上限額に一喜一憂するよりも、長期的な視点で自分に合ったペースで投資を続けることが重要でしょう。
※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
新NISAに関するQ&A
Q:NISA枠を利用するのに楽天証券と他の証券会社で違いはありますか?
A:手数料や取扱商品に違いがあります。ネット証券は手数料が比較的安く、多くの商品を取り扱っている傾向があります。一方、対面式の証券会社は相談がしやすく、初心者向けのサポートが充実している場合があります。
Q:投資初心者は成長投資枠とつみたて投資枠、どちらがおすすめですか?
A:投資初心者の方には、つみたて投資がおすすめです。少額から始められ、市場の変動に振り回されにくいという特徴があります。資産価値の変動に少し慣れてきたらスポット購入ができる成長投資枠を利用すると良いでしょう。