本日は、以前テレビで見かけて、ちょっとおもしろかった「漢字クイズ」を紹介しようと思います。では、さっそく!この2つの漢字、①「柿」と②「杮」、実は同じ漢字ではありません。まったく違う言葉を打ち込んだのに、ほぼ同じ見た目の漢字に変換されるんですよ。それぞれどう読み、どこが違うのでしょう?みなさん、わかりますか?わたしは、どこをどう見ても同じ漢字にしか見えなかったし、「かき」としか読めませんでした(笑)。それでは、この2つの漢字について詳しく解説していきます!あ、本編では、この2つの漢字の違いがよりわかりやすくなるフォント「明朝体」で解説しますね。
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【問題】
①「柿」と②「杮」この2つは違う漢字です。それぞれどう読むのでしょう?どこが違うのでしょう?
(thinking time♪)
どこをどう見ても、「かき」としか読めませんよね(笑)。
では、もったいぶらずに「読み方」をお伝えします。
①「柿(かき)」、②「杮(こけら)」と読みます。
一体、どこが違うのでしょう?
この2つの漢字の違いは、字体(フォント)を変え、拡大すると、わかりやすいのではと思います。
「明朝体」にして拡大してみましょう。
①「柿(かき)」を「明朝体」にして拡大すると…
②「杮(こけら)」を「明朝体」にして拡大すると…
どうです?わかりました?
赤い丸にご注目。
「柿(かき)」は隙間がありますが…。
「杮(こけら)」は隙間がなーーーい!(笑)
書き順を比べてみると、こんな感じ。
「柿(かき)」は9画で、「木へん」+「亠」+「巾」の組み合わせ。
一方、「杮(こけら)」は8画で「木へん」+「一」+「巾」の組み合わせ。「巾」の真ん中の縦棒が、「一」に突き抜けちゃっているのがポイントです。
見た目はそっくりですが、別の字なので、もちろん意味も違います。
「柿(かき)」は言うまでもなく、今が旬の橙色のおいしい果物。この柿です。
画像:フォトAC
「杮(こけら)」は、材木を削った時に出る「木の削りくず」の意味。
画像:フォトAC
「こけら」と聞いてパッと思い浮かぶ、「こけら落とし」の「こけら」もこれです。
「こけら落とし」とは、新築した劇場などで最初に行われる公演のこと。劇場を新築した際、最後に屋根などに残った「こけら(木の削りくず)」を払い落としてから公演を始めたことが、言葉の由来だそうです。
漢字で書くと、「杮(こけら)落とし」となります。
「かきおとし」と読んで、恥をかくところでした。危ない、危ない(笑)。
ということで、
今回は「柿」と「杮」の違いについて、紹介しました。
…って、ちょっと待った!「ふりがな」がないと、どっちが「かき」でどっちが「こけら」かわからないって?
そうですよね(笑)。
書き順が違うので、手書きの場合は、よ~く見れば、その違いに気づけると思います。けれど、パソコンやスマートフォンの文字だと、サムネで使ったフォント「メイリオ」や、この記事のフォントのように、まったく同じ字に見える場合が。文脈などから判断する必要がありそうですよね。デジタルの不便さを、ちょっと感じたりして…(笑)。
余談ですが、実りの秋を迎え、橙色に色づいた柿(かき)の実を木から落として収穫する光景を表して、「柿(かき)落とし」なんて言葉があってもよさそうだとふと思い、ちょっと調べてみることに。すると、そんな言葉はやっぱりありませんでしたが…。俳句の季語に「晩秋、柿の実がよく熟して自然に落ちること」を表す、「柿の蒂落(かきのほぞおち)」という言葉がありましたよ。風流な言葉ですよね。
「杮落とし」と「柿の蒂落」、どちらも知らなければ読めませんよね。余談ですけどね…。
<参考文献>
WEB
『ラジチューブ〜劇場などで使われる「こけら落とし」ってどういう意味?〜』
https://radichubu.jp/yoridori/contents/id=15210
『夏井いつきのおウチde俳句くらぶ〜俳句季語辞典・柿の蒂落(かきのほぞおち)〜』
https://ouchidehaiku.com/contents/345100