妻と娘を失った池袋暴走事故の被害者遺族・松永拓也さんが2024年12月6日、自身に対する殺害予告を行っていた14歳の女子中学生が書類送検されたことについて、改めてXで思いを明かした。
ネット上のトラブル「今回の殺害予告だけではない」
11月28日の報道によると、9月に松永さんをメールで脅迫したなどとして、警視庁が横浜市の中学3年生の女子中学生を書類送検する方針を固めたという。
松永さんが過去に公開した実際に送られたメールのスクリーンショットでは、女子生徒は松永さんに対し「完全に金目当てで草笑」「そんなに辛いなら私が変わりに殺してあげよっか?笑」などとしていた。
松永さんは6日にXで、女子生徒の書類送検の報道について「『中学生相手に厳しすぎるのではないか』というご批判もいただきました」という。
厳しい判断を下した理由について、「少年事件は大人の裁判や刑罰とは異なり、『少年の健全な成長』が目的とされます。今回の件も、彼女の精神的成長や救済につながる可能性が高い。そのため被害届は取り下げませんでした」と説明。
その上で、「彼女がネット上でのトラブルを起こした事は今回の殺害予告だけではないそうです」と明かした。
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「社会全体で彼女を受け止め、支え、成長を促すことが必要」
過去にもネット上でのトラブルがあったという女子生徒の現状について、「それを踏まえると、ご家族だけでは彼女を支えきれない状況にあるのではないかと感じました。だからこそ、社会全体で彼女を受け止め、支え、成長を促すことが必要だと考えました」。
そのため、「被害届を取り下げると、むしろ機会を奪ってしまうかもしれません」との思いから、書類送検に至ったとした。
松永さん自身は、「9月11日に殺害予告を受け、1ヶ月間外出できないほどの恐怖と不安に苦しみました。その後、加害者が中学生だと知り、非常に悩みました」という。
女子生徒について「背景には、何か深い問題があるかもしれません」と心配し、女子生徒の未来を思っての判断だったと明かした。
「この経験を通じて適切な支援に繋がり、問題と向き合い、より良い人生に繋がる機会になればと思います。これ以上大きな過ちを犯す前に。これが、顔も名前も知らない彼女への、私なりの唯一出来る愛の形だと考えています」