ビールの値上げはしばらく続きそう
缶飲料の製造ライン
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缶ビールや缶酎ハイの原材料として忘れてはいけないのは、アルミです。缶の原材料ですね。実は、アルミの価格もこのところ高騰が続いています。
アルミの年間平均価格は、2020年が1,703.99ドル/トンだったのに対して、2022年は2,705.02ドル/トンにまで上昇。2022年をピークに価格は下落傾向にありますが、それでも2024年の平均は2,390.50ドル/トン。2020年と比べると140%も高い価格です。
それではなぜ、アルミが値上がりしているのでしょうか。アルミ価格の高騰の理由は、第一に新型コロナウイルスがあります。新型コロナウイルスによって、主要な生産国である中国やロシア、オーストラリアなどでロックダウン・工場閉鎖・人員削減が行われ、生産量が低下。需要に供給が追い付かず、アルミ価格を押し上げました。
供給の減少だけではなく、需要の拡大もアルミ価格高騰の理由です。温室効果ガス削減のため、ここ数年、電気自動車や太陽光パネルが世界中で増産されていますが、ここにもアルミが使われています。特に、電気自動車にとってアルミは、軽量化のための必須の原材料とも言われるほど重要な存在です。
電気自動車の市場規模は2023 年に 5004 億8000万ドル(約77兆8700億円)、2024年は6714億7000万ドル(約104兆5000億円)と推測され、2032年までに1兆8910億 8000万ドル(約294兆3000億円)にまで拡大すると予測されています。当然、今後のアルミ需要も高止まりが続いていくでしょう。
さて、ここまでビールの値上がりの理由を簡単に整理してみました。皆さんはどう感じましたか?筆者は「ビールの値上がりはまだまだ続くな…」と感じました。とりあえず、毎日飲んでいるビールの本数を1本減らしてみたいと思います。