『La Cote aux Enfants 2013』(ラ・コート・オー・ザンファン 2013年)(税別希望小売価格19万5000円)

4ヘクタールの単一畑で造られるシャンパーニュで、区画の個性を表現する特別なキュヴェだ。
この区画はかつて3代目のジャック・ボランジェが10年あまりの月日をかけて見出したもの。2004年にボランジェで初めてオーガニック栽培を手掛けたのもこの区画だ。畑は急斜面で「子どもしか登れない」とも言われたことから「ラ・コート・オー・ザンファン」の名が付いたとも言われる。表土が20~30センチと薄く、その下は約100メートルもの石灰質土壌が広がる。
「2013年は涼しい年でした」とドゥラリュ氏。しかしフルボディで、ワインにはエネルギーが備わったとも言う。生き生きとした酸味、凝縮感、ミネラル感は石灰質土壌から生まれるワインそのもの。コントラストがはっきりとしているのが唯一無二の味わいだ。

「ラ・コート・オー・ザンファン」の畑を解説するシリル・ドゥラリュ氏

骨格がはっきりしているため肉料理を合わせるのもいい。セミナーでは牛フィレ肉の料理とマッチさせた。

『La Cote aux Enfants 2013』と合わせたのは「国産牛フィレ肉のグリル/柚子胡椒とマデラソース/南瓜と生姜のピューレ、淡路島の玉葱のロースト、アスパラガスとパンチェッタのソテー」。程よく脂がのった牛肉の旨味、秋野菜の濃厚な味わいに、シャンパーニュのシャープでスパイシーさを伴う酸味がマッチする

「品種の表現、区画のアプローチなど、ボランジェのピノ・ノワールシリーズは探求しがいのあるシャンパーニュです。その年の、そのテロワールの声を丁寧に表現したシャンパーニュをぜひじっくり味わってほしいです」とドゥラリュ氏は日本のワイン愛好家にメッセージを伝えた。

(*)黒ブドウだけで造ったシャンパーニュ

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