“推し”への忠誠という誇示消費!?!
今日も~お前は~いい波乗ってんね!
隣の~あなたも~いい波乗ってんね!
これは、シャンパンタワーの注文が入った時の掛け声の定番である。お店全体で盛り上がる。お店の中での推しのホストの株が上がる。私が一番の上客であることを誇示もできる。絶対に引いていっちゃう波なのだけれどね。
アイドルや二次元など“推し”の対象は、はるか遠くの存在であったが、SNSの普及により直接繋がれるタイプの推し活が増えた。顔が好き、面白い、そんな人たちに対して金銭を送り、果てには、自身の体を捧げる女の子たちがいるのがリアルな社会である。
この現象を「おバカだなぁ」と一蹴していては、ただのオッサンである。推しのために、何かを投げ売ったり身を犠牲にしてまで推すことが「エモい」とされ、その界隈では「偉い」とまでされる文化が確かに生まれているのだ。
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凸凹な自己愛がそびえ立たせるシャンパンタワー!!
自分の身を売ってまでシャンパンタワーにお金を注ぐ行為こそ「エモい」と言うなら、それもまた、結局は自己愛である。しかし、その女の子たちの多くが「自分大好き!」ってうまく表現できない自己肯定感の低い娘たちであろうと想像ができる。「自分大好き」と言えない女の子たちが自己愛を求めてそびえ立てているのがシャンパンタワーだということである。
財布の~中身も~いい波乗ってんね!
みんな~今日も~いい波乗ってんね!
良い波も、悪い波も、海上を吹く風によって水面にできる凸凹が原因で発生する。人間の欲望そのものが凸凹である限り、人生の波は発生する。そういう意味においては、コンプレックスと見栄だけでポンと高い腕時計を購入する兄ちゃんの波よりも、たった数時間の満足のために500万円のシャンパンタワーを注文する女の子の波の方が人間らしく興味深い。還暦を過ぎてなお、煩悩に翻弄され続けているワタシには、破天荒な推し活をする女の子の波の方がキラキラして見える。