元力士の柳原大将(だいすけ)さんが2024年12月11日にXで、踏切自殺みせかけて50代の男性を殺害したとして建設会社の社長ら4人が逮捕された事件について言及。死亡した50代男性が社長らから壮絶な「職場いじめ」を受けていたと報じられていることについて、「相撲界でも当たり前にあった」と主張し、その実態について説明した。

「もし俺もあの時に死んでたらこれだけの事になってたのかな」

報道によると、23年12月に50代男性を車に乗せて監禁、板橋区内の線路に立ち入らせて電車と衝突させた疑いで、塗装会社「エムエー建装」社長の佐々木学容疑者(39)、島畑明仁容疑者(34)、野崎俊太容疑者(39)、岩出篤哉容疑者(30)が逮捕された。50代男性は日常的に社長らから暴行を受けていたとみられ、スマートフォンからは、肛門に棒を入れられたり、熱湯をかけられたり、プロレスの技をかけられたりする写真や動画が見つかったとも報じられている。

元「琴貫鐵大将」として21年まで佐渡ヶ嶽部屋に所属していた柳原さんは、Xで、男性が受けていたとされるこうした「いじめ」の被害を挙げ、「これ、相撲界でも当たり前にあった」と切り出した。現役当時にされたことを次のように明かした。

「関取に肛門に綿棒6本以上ぶち込まれて それを兄弟子に笑いながら動画撮られて」
「熱湯風呂に廻しつけた 姿のまま投げて ぶち込まれて上がろうとしたら 浴槽の外から蹴られて 上がらせてもらえんとか」
「松飛台駅で150キロ超えた兄弟子力士に鉄金具付き雪駄で 駅のトイレ血まみれになる程ボコボコに殴られたり」

さらに、関取に寝ずにマッサージをさせられるなか「かわいがり」をされ、「死にかけて心臓手術」をしたとも説明。「あれは死んでないだけだったんやなぁ。もし俺もあの時に死んでたらこれだけの事になってたのかな…」ともつづった。

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自身も加害者に…言うこと聞かせるため「16才の後輩力士にお尻を蹴って」

続く投稿では、自身も加害者になっていたとも明かす。

20歳の頃、兄弟子や親方から「新弟子が言うことを聞かないのはお前ら中堅どころのせいだ、言うことを聞かせられないならかわいがるぞ」と暴行を受けていたといい、「下の子に言うことを聞かせるために16才の後輩力士にお尻を蹴って暴力振るって」と明かした。

しかし後輩力士からは中指を立てられたため、「消化器を持って追いかけて『殴られたくなかったら言うことを聞いてくれ!』と師匠の部屋の前の玄関口で脅した」こともあったという。

さらに、「かわいがりをさせられてる姿」の写真も投稿した。泥だらけの力士が腕と足を地面についている写真で、「かわいがりの後に行われる 前立て(腕立て伏せの形のままキープ)」という。

「お尻や背中、頭を叩かれたり腰に体重を乗せられたりしてやられるかわいがりの一種」と説明し、3時間や5時間もの間させられることがあったとした。一般の人が見学に来ても腕立てをしているようにしか見えないため、「頻繁に使われているかわいがりの一つでした」とも振り返った。

こうした壮絶な体験談に、Xでは「悲しい話ですね」「大人でも子どもでも…それはもうイジメでなく単なる犯罪だよな…」「想像しただけで胸糞悪くなる」といった声が寄せられた。

柳原さんは23年3月、新型コロナウイルス感染のリスクを理由に休場を申し出たが認められず、引退を余儀なくされたとして日本相撲協会と佐渡ケ嶽部屋を提訴している。24年9月20日に柳原さんがXに公開した陳述書では新型コロナウイルスが流行するなか、持病を抱える柳原さんが休場を申し出ても認められなかったとする引退までの経緯や、柳原さんが受けた「かわいがり」実態、持病の不整脈や怪我を抱えた状態で稽古を十分に休ませてもらえなかったことなどが記されている。

協会と佐渡ヶ嶽部屋は全面的に争う姿勢。柳原さんは賞味期限が約5年過ぎた腐った肉を食べさせられたなどと主張し、母に送ったLINEの写真を証拠としているが、佐渡ヶ嶽部屋は捨てるときの写真だったなどとして「事実無根」としている。