23歳下の女性と年の差婚、61歳で子どもをつくった男性の決断と不安「自分の死後に、妻を一人にしたくない」

高齢&晩婚化で50歳を過ぎて子宝を授かる男性が増えている。体は衰え、稼げる時間は限られ、親の介護リスクに頭を悩ませる……。そんな高齢パパの奮闘と葛藤を追った。

◆23歳下の妻を一人にしたくない

【高齢パパの家族構成】

堺さん(65歳):企業家

妻(42歳):自営手伝い

娘(4歳):幼稚園

「妻には本当に苦労をかけた」

4歳の娘を持つ企業家の堺俊彰さん(仮名・65歳)はこう話す。23歳下の妻と幸せな家庭を築いているが、経済事件に巻き込まれて1年近く勾留された過去を持つという。

「そのときに妻が毎週3回、差し入れをしてくれたんです。大事にしようと思ったと同時に、自分が先に死ぬのは間違いないので、そのあと妻を一人にしたくないと思った。それで不妊治療を始めたんです」

◆子づくり願望の背景にあったもう1つの要因

堺さんには25年前に離婚した前妻との間に3人の子どもがいる。だが、親権を巡って離婚訴訟にまで発展したこともあり、20年以上も絶縁状態。

「子どもを引き離されたという経験も子づくり願望の背景にあったかも」と話す。

「前は働き盛りだったので、まったく育児をしなかった。一方で、今は年を取りましたが、時間の融通が利くので娘と過ごす時間をつくりやすい。走り回る娘を追いかけると息が切れて脚が痙攣しますが……いいダイエットと考えてます。体重が減るとともに話し言葉は幼児化していますが」

◆高齢パパの将来の不安は拭えない

堺さんは娘が成人する頃には80歳を超えて立派なおじいさんに。それだけに、将来の不安は拭えないという。

「妻も私の会社を手伝っているので、娘は由緒ある私立幼稚園と夜まで預かってくれる認可外保育園に通っていて、これだけで月5万円の出費。そのほか音楽教室など4つの習い事をさせているので、さらに毎月10万円以上の出費に。ママ友がみんな富裕層なので、妻もその影響を受けて私立の小学校を受験させようとしている。そのせいで、老後資金は全然貯められない」

堺さんは年金をもらえる65歳になったため、今年から42歳の奥さんは年金制度上の扶養から外れることに。この先、18年にわたって毎月1万7000円程度の保険料を納付する義務が発生したのも地味に重い負担とか。年の差婚・高齢パパの悩みは尽きない……。

堺さんの育ジジ反省Point

前妻との間の子どもと過ごせなかった時間を取り戻す

取材・文/週刊SPA!編集部

―[急増![高齢パパ]の現実]―