パンジーとストックの庭での活用実例
我が家はパンジーもストックも、ごく平凡な一般的な品種を育てているが、写真を紹介しながら説明していこう。
【単植】
1鉢に1~2品種のみをシンプルに植えると、花が引き立って豪華。鉢自体が庭のアクセントになる。
【寄せ植え】
シルバーレースはパンジーを引き立てる。
パンジーは他の植物とも合わせやすく、寄せ植えにおすすめ。
左上/黒花をヒューケラと合わせて大人の雰囲気に。右上/常緑低木のカルーナと暖色系の同系色でまとめた。左下/一年草のアリッサムとの組み合わせは無難だが失敗がない。右下/サラダ用のミックスリーフと寄せ植え。なかなか渋い。
パステルカラーのネメシアなどとも相性がよい。
【庭風景】
小型の安定のよい鉢に植えると、塀の上など狭い場所に飾ることもできる。
次に、庭風景に映える組み合わせやディスプレイの例を紹介しよう。
左/数鉢のパンジーを足元に置き、デンドロビウム・キンギアナムを豪華に引き立てる。右/シダのあるワイルドな庭もパンジーが入ると優しい景色に。
パンジーとストックを一緒に植えると高低差が出てバランスがとりやすい。
ストックもパンジーも雪が降っても寒さに強い。
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パンジーとストックの育て方
種まきから育てたパンジー。ある年の8月下旬の様子。
パンジーもストックも育て方はほぼ同じで、種子から育てる場合は、年内に開花させる場合は8月が播種のタイミングと言われてきたが、猛暑の昨今、このスケジュールではかなり厳しい。発芽適温は15~20℃、最高気温が25℃を超えない時期がよいとされているので、今年のような猛暑の年は10月でもまだ暑く、実生の場合は年内の開花は諦めたほうがよい。苗を購入する場合、10月には出回っているが、暑いと徒長するので充分に涼しくなってから購入したほうが無難だと思う。そして、本格的な寒さがやってくる頃までにはしっかり根付かせたいので、地域にもよるが、紅葉の見頃を迎える11月下旬から12月上旬頃が買い時ではないだろうか。
我が家は、毎年、ケース買いをしている。
【植え付け時期】
植え付けは、パンジーは6号鉢に1株、プランターで3~4株と余裕をもって植えるとよい。地植えは20~30cm間隔に。
ストックはやや密に植えないと見栄えがよくないので、8号鉢に3株、プランターで5~6株程度でよいだろう。寄せ植えの場合は、これより若干、密に植えるとよい。地植えは20cm程度。
【用土】
用土はあらかじめブレンドされている培養土が簡単。植え付け時に長期間効く緩効性肥料を施しておくとよい。
【置き場所】
日当たりがよく、寒風は当たらないような場所がよい。
【肥料】
鉢植えの場合は、2週間に1回程度、液肥を与える。
【水やり】
鉢植えやコンテナ栽培の場合、表面が乾いたらたっぷりと与える。
【花がら摘み】
特にパンジーのように種子を作る草花は、花がら摘みをマメにすることが花を長く咲かせるコツ。種子ができてしまうと養分が取られ、子孫を残すのに安心して新しいつぼみを作らなくなる性質がある。花がら摘みを都度することで、子孫を残そうと新しい花が次々に咲く。
今年の冬は基本に戻って、冬の定番のパンジーとストックを育てて、園芸の醍醐味を味わってみませんか? 基本的な草花は、丁寧に育てると見違えるほど立派に育つものです。ぜひチャレンジしてください。
Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 遠藤 昭
– 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー –
えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。