部屋の暑さだけで乾く夏の部屋干しとは違って、冬の部屋干しはなかなか洗濯物が乾きません。やっと乾いたと思ったら「なんだか臭う…」なんてことも。
「生乾き臭」を防ぐためのポイントは、乾かすまでのスピードと洗濯物の干し方にあります。
そこで本記事では、冬の部屋干しで使える時短テクニックとニオイを防ぐ方法をお伝えします。冬場の部屋干しでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
1.冬の部屋干しの時短テクニック
そもそも冬に洗濯物が乾きにくい理由は、空気が含むことができる「水蒸気量の差」にあります。外気温が低くなると空気が含める水蒸気量が少なくなるため、夏よりも冬のほうが洗濯物が乾きにくくなってしまうのです。
そのため「室内の水蒸気量をいかに減らせるか」という部分が、部屋干しスピードに影響します。
それらを踏まえたうえで、冬の部屋干しで使える時短テクニックを見ていきましょう。
ポイントは、「干し方」と「家電・アイテムの活用」の2つです。
衣類の干し方を工夫する
前述のように、洗濯物が乾くまでの速さは室内の水蒸気量が関係しているため、効率よく乾かすためには、干し方も重要になります。
[1]重ならないように干す
洗濯物を干すときには、衣類やタオルが重ならないようにするのは基本中の基本ですが、干し方を少し工夫するだけで、より乾きやすくなります。
洗濯物の干し方には、長いものと短いものが交互になるように干す「長短干し」、長いものが中心になるように干す「V字干し」、そして短いものが中心になるように干す「アーチ干し」の、3種類の干し方があります。
3つの中で最も洗濯物が乾くスピードが速いのは、アーチ干しです。
中心に空気の通り道ができ、衣類やタオルが重なっている部分も少なく水分が蒸発しやすいため、V字干しや長短干しと比べて30分ほど速く乾くといわれています。
さらに洗濯物の素材や厚みなどで、干す順番を変えるのもポイント。
厚手のものや綿素材のような乾きにくいものを、空気に触れやすい端部に干せば、より効率的に乾かすことができます。
また物干しにタオルを干すときには、手前と奥のどちらかが長くなるようにする「ずらし干し」がおすすめ。重なる部分が減ることで空気に触れる面積が大きくなり、乾きやすくなります。
[2]速乾ハンガーを活用する
最近では時短アイテムとして、いろいろな形状のハンガーが販売されています。
たとえば服の中に風が通るように八の字状になったものや、ハンガーに付いている洗濯ばさみで服を挟み、空洞をつくって風通しをよくするものなど、形状はさまざま。
そういった時短アイテムを使えば、厚手のニットやトレーナーなども速く乾くでしょう。
[3]速乾性のあるタオルを使う
速く乾かすことを優先するのなら、速乾性がある素材のタオルを使うのもひとつです。
ナイロンやポリエステル、マイクロファイバーのような速乾性や吸水性に優れた素材を選べば、綿素材のタオルよりも乾くまでのスピードがぐっと速くなります。
除湿機やエアコンを活用する
冬は気温が下がり含める水蒸気量が少なくなると同時に、湿気による結露が起こりやすくなります。「部屋干しをしていたら、壁紙やカーテンにカビが生えていた…」という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
洗濯物を速く乾かしつつ、結露によるカビの発生を防ぐためには、家電アイテムの活用がおすすめです。
[1]除湿機・乾燥機を目的に合わせて使う
洗濯物を干している部屋で除湿機や乾燥機を使えば、効率よく乾かすことができます。
ただ、除湿機と乾燥機でそれぞれ乾燥のメカニズムが少し異なるので、仕組みを理解したうえで、どちらを使うのかを考えたほうが良いでしょう。
まず除湿機は、室内の湿度を下げることで自然乾燥を促すしくみです。洗濯物から出た湿気を除湿しながら乾かすため、乾燥までにやや時間がかかります。
一方で乾燥機は、ヒーターで熱風を出して水蒸気を蒸発させ、洗濯物を乾かすしくみです。熱による乾燥機能で洗濯物の水分を飛ばすので、除湿機よりも速く乾きます。しかし熱を使う分、除湿機よりも電気代が高くなります。
[2]エアコンは除湿より暖房がおすすめ
エアコンにも除湿機能が備わっていますが、部屋干しをするのなら除湿ではなく暖房を使うのがおすすめ。暖房によって下がってしまった湿度を、洗濯物から出る水蒸気が上げてくれるからです。
リビングで部屋干しすれば、加湿機いらずで電気代の節約にもつながります。
[3]サーキュレーターも併用しよう
エアコンを使った部屋干しは、除湿機や乾燥機ほど風を送る力が強くありません。
乾燥までに時間がかかるとニオイの原因になってしまうため、サーキュレーターの風力を使って水分を飛ばしましょう。
サーキュレーターの設置場所は洗濯物の真下で、首振り機能などがあれば活用して洗濯物にまんべんなく風が当たるようにしましょう。
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2.冬の部屋干しのニオイを防ぐ方法
洗濯したはずの衣類やタオルからする嫌なニオイの原因は、雑菌の増殖と排せつ物が原因です。洗濯物の雑菌は水分を含む時間が長いほど増えていくため、生乾き臭を防ぐためには乾燥までのスピードが重要になります。
また、リビングでの部屋干しは、料理からのニオイ移りが気になる方も多いはず。
雑菌や料理によるニオイを防ぐためには、干し方や家電アイテムの活用に加えて、以下のポイントも意識してみてください。
部屋の換気をこまめに行う
生乾き臭の原因は水分なので、湿度が室内にこもらないようにこまめな換気を心がけましょう。換気によって洗濯物が空気に触れれば乾くまでの時間が速くなり、嫌なニオイを防ぐことができます。サーキュレーターを使って空気を循環させると、より効果的です。
また、リビングで部屋干しをするときにも、調理中は窓を開けたり空気清浄機を回したり、室内にニオイがこもらないように工夫しましょう。
もし可能であれば、調理中だけでも洗濯物を別室に移動させるとニオイ移りを防げます。
抗菌・防臭効果のある洗剤や柔軟剤を使う
生乾き臭は、抗菌・防臭効果の強い洗剤や柔軟剤である程度防ぐことができます。
とくに残り湯を使って洗濯している場合は微生物が繁殖しやすいので、抗菌効果が高いものを使うのがおすすめ。部屋干し専用の洗剤や柔軟剤を発売しているメーカーもあるので、いろいろなものを試してみると良いでしょう。