可愛らしい果実を収穫する喜びを味わえるキンカン(金柑)は、柑橘類の中でも樹高が低くて管理がしやすいのが特徴。果樹としての栽培はもちろん、観賞用として盆栽仕立てにして楽しむ方も見られます。この記事では、キンカンの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、主な品種、育て方のポイントを詳しくご紹介します。
キンカン(金柑)の基本情報
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植物名:キンカン
学名:Citrus japonica (Fortunella japonica)
英名:Kumquat、Cumquat
和名:キンカン(金柑)
その他の名前:キンキツ(金橘)
科名:ミカン科
属名:ミカン属(キンカン属)
原産地:中国
分類:常緑性低木
キンカン(金柑)はミカン科ミカン属あるいはキンカン属の果樹です。原産地は中国で、日本には江戸時代に渡来したとされています。寒さには弱く、耐寒温度はマイナス5℃くらいで、地植えにするなら関東以西の平地に限ります。寒冷地では、鉢栽培にして暖かい場所で冬越しさせるとよいでしょう。キンカンは低木に分類されており、自然樹形で2mほどにまとまります。毎年の剪定によって1.5m前後の樹高をキープして収穫しやすいように仕立てることをおすすめします。キンカンは自家受粉するので、受粉樹を植える必要がなく、1本植えれば結実します。常緑樹で、冬もみずみずしい葉を保ちます。
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キンカンの花・葉・実の特徴
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園芸分類:果樹
開花時期:7〜8月
樹高:2m
耐寒性:普通
耐暑性:強い
花色:白
キンカンの開花期は7〜8月で、6〜7mmほどの白い5弁花を咲かせ、ほのかに甘い香りを漂わせます。開花期間にずっと咲き続けているわけではなく、3〜4回の開花ピークがあるのが特徴的です。中でも1番目、2番目に咲いてできた果実が、大きくて品質がよいとされています。葉は厚みがあり、5〜6㎝ほどの長い楕円形です。
キンカンの果実は2月〜5月中旬頃が収穫適期です。果実を食べるほか、観賞用としても盆栽などでも楽しまれています。2〜3cmほどの球形または楕円形で、熟すと黄色〜オレンジ色になります。実の中には小さな種が入っていますが、種なしの品種も出回っています。食感は甘みと酸味のバランスがよく、さわやかな香りも口に広がり、とてもジューシー。金柑の果皮はやわらかいので、皮を剥かずに生食できます。近年は糖度の高い品種が登場し、贈答用にも利用されているようです。ジャムやコンポート、果実酒などの加工も可能で、ビタミンCを多く含み、民間療法では氷砂糖を入れた煎汁が風邪予防として用いられてきました。