インフルエンザの患者数が急増している。厚生労働省の発表によると、直近の2024年12月2~8日、定点医療機関当たりの報告数は全国で4万4673件となり、前週の2万4027件から倍近く増えた。

国立感染症研究所によると、既に流行期に入っている。年末年始にかけて感染拡大が懸念されるが、発熱外来の予約がいっぱいでとれないとか、折からの薬不足が影響しているとの心配が聞こえてきた。

薬局で処方薬の数が足りず

厚労省の2024年12月13日発表によると、12月2~8日の週で定点当たりのインフルエンザ報告数が全国最多だったのは、福岡県の4019件。次いで神奈川県(3575件)、東京都(3425件)の順となっている。

休校は全国で24校と前週の3倍強。学年閉鎖が291件、学級閉鎖が1087件といずれも大幅増となった。

患者数の急増で、不安視されるのが既に長期化している医薬品不足だ。

原因のひとつは、ジェネリック(後発医薬品)メーカーの不祥事が相次いだため生産力が低下し、需要に追い付いていないこと。ほかにも、薬の原材料不足や価格の高騰、物流の停滞といった、世界規模で起きている事象の影響も指摘されている。

50代男性のAさんは12月初旬、医療機関でインフルエンザ感染と診断された。最寄りの薬局で処方薬を受け取ろうとしたところ、その数が足らず、在庫が潤沢であろう規模の大きな薬局を案内されたと明かした。

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「発熱外来」朝9時に電話して予約は16時

新型コロナウイルスによる感染症の流行以降、風邪の症状がある患者を他の受診患者と分けて診察する「発熱外来」を設ける医療機関が少なくない。

40代男性のBさんは、週末にかけて高熱が出た。「かかりつけ医」を受診しようとしたところ、発熱外来は平日しか対応していないとウェブサイトにあったという。

「かかりつけ医」を断念した後、自宅の近所のクリニックを探した。だが、発熱患者を受け入れていないところもあり、ようやく見つけたところも診察の予約をとるのにひと苦労だったそうだ。朝9時に電話して予約できたのは、その日の16時だったという。混雑ぶりがうかがえる話だ。

Xではここ数日、発熱外来の電話がつながらない、予約がいっぱい、あるいは予約がとれないといった投稿が散見される。