税務調査の対象となるのは、個人より法人のケースが多いため、「個人事業主であれば安心」だと思っている人もいるかもしれません。しかし税務調査の対象はランダムに選出されているわけではなく、きちんと理由があって選ばれている、と税理士法人松本の代表税理士、松本崇宏氏は言います。今回、個人事業主で税務調査のターゲットとなりやすい人の特徴や、税務調査を回避するためのポイントについて、松本氏が詳しく解説します。
個人事業主の脱税とは
脱税とは、売上を隠す、不正な経費を計上するなどして、本来納めなければならない税金を軽減させる行為です。「申告漏れ」「所得隠し」という言葉について、正しく意味を理解しておきましょう。
申告漏れ
所得隠し
申告漏れ
申告漏れとは、簡単な計算ミスや経費計上の誤りによって納税額を少なく申告してしまう状態です。
「手続きの期限を知らずに遅れてしまった」「申告が必要だと知らなかった」というケースも申告漏れに該当します。
故意ではなく、うっかりミスが原因であるというのが大きな特徴です。ただし故意ではないからといってペナルティがないわけでなく、納税を免れるわけでもありません。
所得隠しと比較するとペナルティは軽くなりますが、追加課税されますので正しく納税しましょう。
所得隠し
所得隠しとは、脱税のために意図的に所得を少なく計上する行為です。
「売上を隠ぺいする」「架空の人件費を計上する」というケースがあり、意図的に行うために悪質性が高いと判断されます。
申告漏れよりも重いペナルティが科される傾向があります。意図的な所得隠しなのかは、本人しか知りえない事実ではありますが、最終的には税務当局の判断次第となります。
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個人事業主に税務調査が入る割合
個人事業主に税務調査が入る割合は、おおよそ0.5%~1%となります。これは令和3年度の税務調査および確定申告の数から計算した割合です。(参照:国税庁|令和3事務年度 所得税及び消費税調査等の状況)
税務調査が入る割合は法人のほうが高いので、個人事業主であれば安心だと思っている人がいるかもしれません。しかし税務調査の対象はランダムに選出されているわけではなく、きちんと理由があって選ばれています。
割合が少ないとはいえ、税務調査される個人事業主にはそれなりの理由があると覚えておきましょう。