田丸有子
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。
手紙で気持ちを伝えよう!
こんにちは。今年もあとわずか。キリッとした冷たい空気に身も引き締まりますね。お変わりありませんか?
前回の「手紙トピック」でお知らせしていた「なでしこ切手倶楽部展」ですが、無事に終了しました。お越しいただいたみなさま、どうもありがとうございました。
私はマキシマムカード・ジャーナルと題して、日記のようにマキシマムカードを一日一枚、100日間作成するチャレンジの成果を展示しました。展示したものは講評していただき、その中から3つの賞が授与されるのですが、そのうちの一つに選ばれ、チャレンジして良かったと報われた思いがしました。
実は目標を定めるのが苦手です。達成できなかった時に落胆するぐらいなら目標を決めなければいいといつからか思うようになっていたのです。けれど今回、100日間続ける明確な目標を達成したことで、やっぱり目標を立てて目指すのはいいな、チャレンジするって楽しいなと思えました。どんなに小さくてもいいから1つのことをコツコツやり続ける。継続は力なりですが、言うは易し。これができる人は胆力がある人であり、私は敬意を払わずにいられません。そんな人になるべく、暮れゆく年の瀬に来年の目当てをしっかり考えます。
読者のみなさま、今年も読んでいただき、ありがとうございました。ご自愛専一にてどうぞ良いお年をお迎えください。
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手紙トピック
谷川俊太郎さんの訃報を聞いたとき、積読本の中にある、谷川さんが編纂された「母の恋文」を手に取り、読み始めました。谷川さんのご両親の書簡を一冊の本にまとめたものです。詩人を生業とする谷川俊太郎さんの才能はご両親あってのものだったと思うほど、手紙は言葉の表現が巧みで読み応えがあります。お父様もお母様もどちらにおいても文章が生き生きと感じられ、引き込まれます。昭和初期の仮名遣いは読みにくさを感じさせず、かえって熱烈な恋文の艶っぽさが増すように思えました。しかし、後半は衝撃的な展開が待っています。ドラマ以上にドラマチックな現実が手紙によって綴られる面白さを堪能できる、長い夜の読書におすすめしたい一冊です。