5年ぶりの来日となったピーター・ツーストラップ氏。「(*)PTコレクション」の中から選りすぐりのワインを紹介するイベントが、ワインブティック「ヴァン シュール ヴァン」で開催された。今回のテーマは“伝統あるボルドー・ワインの魅力”だ。その様子をリポートする。

『ル・プティ・シュヴァル・ブラン2018年』を片手に、ボルドー・ワインの伝統を語るピーター・ツーストラップ氏

右から、乾杯で楽しんだシャンパーニュ『ブラン・ド・ノワール・ブリュット・フルーリーNV』、ボルドー・ワイン『ル・プティ・シュヴァル・ブラン2018年』『シャトー・ラグランジュ・ア・ポムロール1971年』『シャトー・シャペル・マドレーヌ1966年』

虎ノ門にあるワインブティック「ヴァン シュール ヴァン」で「伝統〜ボルドー特別ワイン会」が11月15日に開催され、世界的なワインコレクターのピーター・ツーストラップ氏が来日した。
「皆さまにPTコレクションの中から選りすぐりのワインを紹介できることを、うれしく思います」とツーストラップ氏。今回のために、ポテンシャルの高いボルドー・ワインをそろえた。また、ワインに合わせて、自由が丘にある「シェ・シミズ」の清水郁夫シェフが料理を手掛けた。

[ 関連記事を読む – ピーター・ツーストラップ ]

ワインの1本目『ル・プティ・シュヴァル・ブラン 2018年』。
「シャトー・シュヴァル・ブランは赤ワインで有名なシャトー。白ワインは16年に初リリースされました。香りが豊かで、果実の凝縮感もあり、熟成も期待できます」とツーストラップ氏。

続いて『シャトー・ラグランジュ・ア・ポムロール 1971年』。
「サンテミリオンらしく、果実味のふくよかさが心地いい。よく熟成したワインです」とコメント。熟成したワインは味わいの深みが増し、真鱈のポワレのソースに使われた八角の風味と、ワインのスパイシーなニュアンスが複雑に響き合った。

3皿目に供された「真鱈のポワレ 野菜のファルシ添え ソース フヌイユ 八角風味」。香ばしく焼いた真鱈の旨味と八角風味のソースが、熟成した『シャトー・ラグランジュ・ア・ポムロール1971年』のスパイシーさと呼応した

3本目は『シャトー・シャペル・マドレーヌ 1966年』。このシャトーは、現在は「シャトー・オーゾンヌ」が所有する。
「香りにポートワインやドライフルーツの印象、熟成した果実と余韻がある」
慈しむような味わいがエレガントだと評した。熟成を経て到達する複雑さが、ポテンシャルの高いボルドー・ワインの伝統的な味わいの世界なのだろう。
国産牛脛肉のワイン煮とは旨味を高めるマリアージュに。ボルドー・ワインの醍醐味をしっかりと堪能できる組み合わせとなった。

『シャトー・シャペル・マドレーヌ1966』

『シャトー・シャペル・マドレーヌ1966年』と合わせた「国産牛脛肉の赤ワイン煮」。ワインから漂うポートワインを思わせる風味が、煮込んだ脛肉の旨味を包み、赤ワイン煮のソースと見事なハーモニーを奏でた

(*)ピーター・ツーストラップ氏が、パーフェクトな状態のワインをラインナップする「PTコレクション」「PTセレクション」。日本では1989年より「ヴァン シュール ヴァン」と提携し、熟成したワインなどを提供している

text& photographs by Go FUKUSAKI