映画情報サイト「映画.com」は、2024年12月16日、同日に開催された映画「ライオン・キング:ムファサ」公開記念ジャパンプレミアについて、招待枠を超えた人数に当選連絡を送ったとして、公式Xで謝罪した。
Xには当日、イベントに参加できなかったとする当選者からの報告が相次いでいた。当選し入れなかったという参加者はJ-CASTニュースの取材に、「驚いて泣いてしまう人もいました」と当日の様子を明かした。
「呆気に取られるばかり」「驚いて泣いてしまう人も」
「ライオン・キング:ムファサ」のジャパンプレミアでは、映画が先行上映されたほか、「超実写プレミアム吹替版」の声優を務めた尾上右近さん、松田元太さんらが登壇し挨拶などが行われた。
このイベントで、トラブルがあった。「映画.com」が招待枠を超えて当選連絡を送ったため、参加できなかった人がいたのだ。映画.com公式Xは、「映画.com経由で募集をした40名の当選枠に対し、弊社の不手際によりそれを上回る方に誤って当選のご案内をいたしました」と説明し、こう謝罪した。
「お忙しい中、本イベントを楽しみにご来場いただきましたお客様におかれましては、ご不便・ご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます」
参加できなかった当選者には、今後の対応について改めて連絡するとしている。
当日の様子はどうだったか。当選したものの、イベントに参加できなかったというあるXユーザーは、J-CASTニュースに当日の会場の様子を明かした。
受付場所がエスカレーターの真横にあったため、その場に列を作ることができず、「待機列はかなりごちゃごちゃ」していたという。
その際は、当選した運営会社ごとに呼び出され受付に進んだ。しかし、映画.comからの当選者にはなかなか呼び出しの声がかからなかった。
開演15分ほど前に「エスカレーター横にお並び下さい」と案内されたものの、その後しばらく案内がなく、開演5分前に並んでいた1人がスタッフに話を聞きに行ったという。
すると、2人のスタッフが現れ、土下座。「申し訳ありません、ご安心する事が出来ません」と言い、すぐに立ち上がり「招待の40人以上に当選者にご連絡をしてしまったようで、大変申し訳ございません」と説明したという。
Xユーザーは「こちら側は呆気に取られるばかりでした」と振り返る。並んでいた人の中には「驚いて泣いてしまう人もいました」と明かした。
「新幹線で来たんですが」「会社休んで来ました」「どうしてこうなったんですか?」などと話す人もいた。しかし皆、怒った口調ではあるものの、「大声ではなく、罵声を浴びせる事もありませんでした」とその時の様子を明かす。
Xユーザーはスタッフが説明する様子の動画も提供してくれた。たしかに、2人のスタッフは「申し訳ございません」と何度も頭を下げている。怒りの声は聞こえるが、スタッフとの間には距離があり、詰め寄ったり暴れたりするような様子は見られなかった。
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「導線を開けて待っていた人が最終的に会場から溢れてしまった」
納得はできなかったものの、「スタッフの案内に従い、並んでムビチケ(デジタル映画鑑賞券)を貰いました」。スタッフの対応について、「一人一人に丁寧に頭を下げお詫びしてくれました」と明かした。入れなかった人は、50人ほどいたように見えたという。
今回のことについて、「ライオン・キングが好きで平日のプレミア試写会が珍しい事と自分の休日と重なったので本当に楽しみにしていました。張り切ってライオン・キンググッズを持って行ったりして…」と心境を明かした。
イベントに参加できなかった別のXユーザーも、当日は開場時間より早い段階から人が集まっており、整列も十分にできていなかったといい、「その混乱の中でスタッフの指示に従い導線を開けて待っていた人が最終的に会場から溢れてしまったため、反感を買ってしまったように思います」と、J-CASTニュースの取材で明かした。「100人近く当選しており、体感50人ほどがあふれているように見えました」とした。
当日、「ムビチケ」1枚が配布されたほか、交通費の支払いをするという説明があり、「その後の対応についての説明は明日以降DMでする」と言われたという。
前出のXユーザーは17日夜、映画.comから謝罪の連絡があったと明かす。そこでは、「社内の確認プロセスに不備」があり、誤って100人に当選連絡をしてしまい、調整を試みたものの60人分の席が用意できなかったと説明した。さらに、交通費と宿泊費を負担するとして、具体的な返金方法は体制が整い次第改めて連絡するとしている。
J-CASTニュースは17日、映画.comを運営するエイガ・ドット・コム(東京都渋谷区)に実際には何人に当選連絡をしたのかなどについて取材を申し込むと、次のように回答した。
「このたびは、イベントにご参加いただけなかったお客様に大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
事態を受け、対象のお客様にはしかるべき対応を進めてまいります」
その後、担当者から連絡があり、「イベントに参加いただけなかったお客様への対応を最優先で進めている」と説明した。