ボケの名前の由来と花言葉


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和名のボケは中国名の「木瓜(ボクカ、モクケ、モケ)」が転じたものとされています。果実の形がウリに似ているため、木に実るウリとして「木瓜」の漢字があてられ、その音読みから「モケ」、それがボケに変わったとする説があります。別名はカラボケ(唐木瓜)。


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ボケの花言葉は「先駆者」「早熟」「平凡」「熱情」など。「先駆者」「早熟」は中国での呼び名「放春花(ファンチェンファ)」に由来し、この名は「いち早く春を告げる花」「どの花よりも先に春の香りを漂わせる花」という意味です。ボケの花は戦国武将の織田信長の家紋になっており、「先駆者」や「熱情」はカリスマ性のある統率力で戦国時代に名を馳せた織田信長をイメージさせる言葉です。「平凡」は生垣としてポピュラーに利用されていることや、成長しても2~3mとあまり大きくならず、小さな庭に向いていることが由来のようです。

ボケの名前は憎まれ口の「ボケ」と同音異義語にあたるので、悪いイメージを持たれることがありますが、花言葉がよく、春にいち早く華やかな赤と白の紅白の花をつける花木として、縁起がよいとされています。贈り物にする際には、誤解を招かないようにメッセージや花言葉を添えて想いを伝えるとよいでしょう。

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ボケの品種や近縁の仲間


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ボケは愛好家が多いだけに品種改良が進んでおり、その数は200種を超えています。大輪一重咲きで赤、白、白地に赤の絞りと、1本でさまざまな花色がみられる‘東洋錦’、同じく大輪一重咲きでピンクの地色に紅色または白の絞りが入って咲き分ける‘高根錦’、早咲きで優しいパステルピンクの花を咲かせる‘ゆめ’、遅咲きで上品なオレンジ色の巨大輪八重咲きの‘世界一’、発色の美しい赤の大輪一重咲き‘緋の御旗’などがあります。

ボケの近縁の仲間には、カリンやクサボケがあります。カリンはボケ属の中高木で、カリン属に分けられることもあります。赤色の花の後に実る、黄色く硬い果実には咳止め効果があるとされ、カリン酒などに利用されています。クサボケは日本固有種で、中国でも栽培されています。全体に小型で、山野の日当たりのよい斜面などに自生し、地面を這うように枝を伸ばします。ボケの園芸品種にはクサボケとの交配種も多くあります。


カリンの実。Hyejin Kang/Shutterstock.com