数年前のことです。当時、私は店長としてあるショップで働いていました。そのとき、採用した新人スタッフのAさんに、少し難しい問題があることに気が付きました。
仕事ぶりは素晴らしいけれど
Aさんは非常に誠実で、仕事も丁寧にこなしてくれる優秀なスタッフでした。しかし、1つだけ気になることがありました。それは、Aさんが少し強い体臭をもっていたことです。店内にふとした瞬間に感じるそのにおいは、周囲のスタッフも気にしているようでした。
スタッフたちは、何度か窓を開けたり、空気の入れ替えを工夫したりしていましたが、根本的な解決には至らず、少しずつこの問題が職場全体に影響を与え始めていました。
ある日、スタッフの1人から、「このままでは自分の具合が悪くなってしまうので、退職も考えている」との相談を受けました。職場全体の雰囲気や士気にも関わる深刻な問題だったため、私は副店長とすぐに対策を考えることにしました。
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デリケートな問題を解決するには
ただ、Aさんに直接この問題を指摘するのは、非常にデリケートな問題です。本人を傷つけることなく、どうにかして皆が快適に働ける環境を作れないかと考え、私たちは1つの案に行き着きました。それは、「全スタッフが使える形での対策を導入する」というものでした。
具体的には、スタッフ用トイレに汗取りシートを常備し、全スタッフが休憩時に使用するようにしたのです。その際、理由として「お客様からスタッフの体臭に関する口コミがあった」という設定をし、本社からの指示という形にしました。