プロ野球楽天の元監督で野球解説者の田尾安志氏(70)が2024年12月18日にユーチューブを更新し、ソフトバンクからフリーエージェント(FA)で巨人に入団した甲斐拓也捕手(32)のFA移籍に伴う人的補償について私見を述べた。

「甲斐選手が抜けた次の1番手候補は海野隆司捕手」

スポーツ紙によると、甲斐の今シーズンの年俸は2億1000万円(金額は推定)で、人的または金銭の補償が発生するBランクとみられる。

ソフトバンクが人的補償を選択した場合、巨人がプロテクトした28人以外の選手を獲得することが可能となる。

甲斐の巨人入りが決まると、インターネット上では「人的補償」がトレンド入りするなど、巨人ファンの間で大きな注目を集めている。

このような状況の中、田尾氏は人的補償について独自の視線で分析。「プロテクト選手は28人ですが、話題になっているのが小林誠司捕手。甲斐という絶対的なキャッチャーがソフトバンクから抜けるということで、ソフトバンクはキャッチャーを考えないといけない」と私見を述べた。

田尾氏は今後のソフトバンク捕手事情に言及し、「甲斐選手が抜けた次の1番手候補は、海野隆司捕手」とするも、打撃面での物足りなさを指摘した。そして、こう続けた。

「次は谷川原(健太)。ファームで65ゲーム、1軍では3ゲーム出た。そして嶺井(博希)。嶺井君はDeNAから(ソフトバンクに)行ったが、キャッチャーとしてほとんど出ていない。今シーズンも3試合だけ。こういうことを考えると、やっぱりキャッチャーの補強が必要になる。そこで考えるのは、ジャイアンツでいうと小林誠司選手」

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「あえて小林選手のことを考えれば、プロテクトをせずに…」

巨人は24年シーズン、大城卓三(31)、小林誠司(35)、岸田行倫(28)らが併用で起用され、捕手は3人体制だった。25年シーズンは、ここに甲斐が加わり、阿部慎之助監督(45)の起用に注目が集まっている。

田尾氏は巨人捕手陣の現状を踏まえ、「大城、岸田、小林。この3人が1軍のキャッチャーという印象が強い。その中に甲斐が入っていくとなると、誰かひとりがはじき出されるということになる。その1番手が小林になってくるという気がする」との見解を示した。

同志社大学出身の田尾氏は、小林の大学の先輩にあたる。そのような関係から、小林に対して、こう助言した。

「個人的な話になるが、小林選手には『1度他球団の飯を食うのもいいぞ』と言いたい。ジャイアンツでずっとやってきてもう35歳。ここから他球団でやるというのは厳しいかもしれないが、そういう経験を積むというのはこれから先、指導者になっていく場合にいろいろな勉強ができる。1球団だけで終わるのは、選手としては、選手冥利に尽きるが、その中だけでは見えないものもある」

ソフトバンクが人的補償を選択するのか注目される中、スポーツ紙の報道によると、三笠杉彦GMは「今のところ決まった方針はありません。よく考えたい」と話すに留まったという。

野球ファンの関心が高いFA移籍に伴う「補償」問題。田尾氏は「ジャイアンツがどう考えるかですけども、僕はあえて小林選手のことを考えれば、プロテクトをせずに、もしソフトバンクが取ってくるのであれば、1度ソフトバンクに入ってプレーしてもらいたい。そういう願望を持っている。そうすることが、彼にとって非常にプラスになると思う」と語った。