“妻が不倫に走りやすい夫婦”の特徴。「専業主婦」と「共働き」で大きく分かれる価値観。「物足りない」と思われる夫の例も

 こんにちは。結婚相談所「マリーミー」で代表を務める植草美幸です。『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)での特集をはじめ、各種メディアで見たことがある――なんて方もいらっしゃるでしょうか。

 マリーミーは設立15年となり、現在では年間約6500件もの結婚や恋愛にまつわる相談を受けています。これだけの相談を聞いていると、多くの問題はいくつかの類型に分けられ、それぞれに存在する鉄板の解決策が見えてくるものです。人間関係は十人十色のようで、対応には同工異曲の趣があります。

 リニューアルした本連載では、「結婚後のリアル」な悩みにお答えしていきます。ただ、結婚や同棲中の方だけでなく、お相手選びに迷いのある婚活中の方にも参考となるよう、手加減なしの“辛口”モードです。心してお付き合いくださいね。

◆5年ほど前から「妻の不倫」が急増?

「夫婦共働き」が基本形となってきた現代。出産にともなう身体的、また育児の負担によって生じる就労のしにくさをはじめとした格差はまだ大いに残るものの、「ともにお金を稼ぐ」ことをベースに考える人のほうが男女とも、そして独身・既婚関係なく多いことでしょう。

 こうして共働きが一般化することによって、夫婦間で起こりがちなトラブルにも変化が生じました。「妻の不倫」が急増しているのです。私の体感としては5年ほど前を転換点にして、以来どんどん増えている夫婦問題です。

 かつては「サレ妻」の言葉が表すように、妻ではなく夫側が不倫することのほうが圧倒的に多かったのですが、今では不貞を働くことの男女格差も縮まってきています。

 そこで今回は「妻が不倫に走りやすい夫婦の特徴」をテーマにお届けしてまいります。

◆現代でモテるのは「守りたいお嫁さん」ではなく…

 端的にまとめてしまうと、「ほかの男性から羨ましがられるような相手と結婚した夫の慢心」がもっとも危険です。ただし、シンプルにモテるから、という理由だけではありません。

 現代の男性たちから人気の高い女性とは、旧来的な「守りたいお嫁さん」然としただけの女性ではないのです。もちろん、「若い女性がいい」「絶対に年下」といった男性は今も少なくありませんが、並行して女性の年収を重視・評価するようにもなっています。

 つまり、先述した男性から羨ましがられるような女性とは、「経済的な自立を果たしている、年下の女性」のことなのです。

 当然、不貞行為は民法上において貞操義務に反する行為で、「サレた側が悪い」などとは決して言いません。しかし、「男じゃあるまいし、妻が不倫するなんてありえない」と驕っていては、不倫されるかはともかく、夫婦関係にマイナスをもたらすのはたしかです。

 自立した年下の女性を希望している男性や、幸いにもそうした相手と結婚できた男性はぜひ、最後まで記事をお読みください。

◆「専業主婦」と「共働き」で大きく分かれる価値観

 男性が不倫するときに使いがちな嘘といえば、「仕事の付き合いの飲み」やら「急な出張」やら、とにかく仕事にまつわるものが大半です。ともすれば、予定を入れた時点では本当のことだったが、思いがけない展開からつい魔が差した――なんて場合もあるでしょう。

 等しく女性が仕事に出ていれば、なんのことはありません。そうした男性たちと同じ立場・状況が発生しているだけです。出会いも生まれやすいし、言い訳もしやすいし、稼いだお金も手元にある。

 そもそも、専業主婦であれば相手に不満を持っていても、現在の状況や将来への不安から、不倫までのハードルはかなり高いです。共働きであれば、無理に我慢をするくらいなら相手と別れたほうがいいと、開き直る自由があります。

 くわえて、古い価値観がいまだに暗い影響をもたらしている側面も存在します。共働きであれば、家事も分担しなければ不公平が生じますが、まだまだ「家事は妻の仕事」と思ってしまっている男性も少なからずいるのです。

 一方でアップデートが進んでいる男性が多数いることも女性は知っていますから、「家事をやらない夫」のお世話係まで兼任する必要がないとわかっています。だからこそ、夫に見切りをつけやすいし、不倫の動機も高まりやすくなるのでしょう。

◆若い妻が「物足りない」と感じてしまえば…

 共働きかつ、自分より明確に若い相手となると、不倫問題はさらに発生しやすい構造下にあると言えます。

 同世代とは決して言えないくらいに歳の差があると、生活習慣や今この瞬間の人生に求めるものに対するジェネレーションギャップが、どうしても生まれやすいためです。

 年上の夫としては、「おうちでゆっくり過ごすのが幸せ」と心から思える生活が、若い妻としては「物足りない」と感じてしまうこともありえます。

 同世代の友人に独身が多いほどに若い年齢だと、彼ら彼女らは自由に遊んでいるのに……といった不満が生じるような事態も想像に難くないでしょう。魅力的な相手からの声がけが多いことも言わずもがなです。

 もちろん、「結婚する覚悟」が不足しているだけの女性と言ってしまえばそれまでのこと。素晴らしい夫や平穏な結婚生活を過小評価して、ドツボに自らはまろうとしている女性も存在します。

◆「男性が年上のケース」で注意したいのは…

 ただ、かたや「若くて仕事もできる妻」と「養ってくれるわけでも、包容力もない年上の夫」に現に陥ってしまっているならば、不倫どころか離婚を考えられてもしょうがありません。先ほどの家事問題も併発して、「家でゆっくり過ごせているのはあなただけ」と思われていることも大いにありえます。

 年の差婚が成立するには、ジェネレーションギャップを補うために、年上側がなんらかの形で相手をリードする必要がどうしてもあります。経済的な大黒柱を担っていればわかりやすくリードすることができるものの、そうでない場合はそのほかの面でリードしなければ、2人のあいだに溝が生まれてしまうのです。

 

 年上の女性と、若い男性の組み合わせの場合は収入面以外にも、精神面や家事能力などで女性がリードした関係だからこそマッチングすることが多いもの。他方で男性が年上というケースでは、相手の幼さをカバーせず、若さだけを享受していることを原因とした不和を散見する印象です。

◆不倫が増えたのは、自立した女性が増えている証拠?

 繰り返しになりますが、不倫そのものは決して推奨される行為ではありません。ただ、女性側の不倫が増え、性差が減少しつつあることは、自立した女性が増えている証拠であるとも考えられています。

 これまで、女性が言われてきた「ハイスペックな男性と結婚したなら不倫は多めに見なきゃダメだよ」という言葉が、そのまま男性にも当てはまるようになってきているのかもしれません。

 もっとも、お互いに不貞に走ることなく、円満な夫婦関係を築いていけるのが一番ですし、そのような夫婦も数多くいます。

 そうした夫婦であり続けるためには、相手の立場に立ってコミュニケーションを取り続けることがなによりも必要で重要です。そうした対話の継続を実現するためのポイントは、また解説していきますね。

<TEXT/植草美幸>

【植草美幸】

結婚相談所マリーミー代表取締役、恋愛・婚活アドバイザー。 1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを創業。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。日々カウンセリングを行いながら、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など幅広く活動中。著書に『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『モテ理論』(PHP文庫)など