スーパーで女性を狙う「ぶつかり老人」の末路。思い切りカートをぶつけた相手はまさかの…――仰天ニュース傑作選

2024年、反響の大きかった記事からジャンル別にトップ10を発表。話の通じない「困った人」部門、迷惑行為の数々から第2位の記事はこちら!(集計期間は2024年1月~10月まで。初公開2024年10月22日 記事は取材時の状況) *  *  *

少子高齢化が進む日本では、各地で「暴走する老人」がトラブルを起こすケースが増えている。都内某所でスーパーの店長を務める川上真司さん(仮名・35歳)は、老人が起こすトラブルに毎日のように遭遇しているという。

◆警察が来るとボケたふりをする…

「シニア客のトラブルで一番多いのが万引きですね。警察が来るとボケたふりをするから、たちが悪い。支払いを忘れただけだと逆ギレするパターンも多くて、ほとほと困っています」

また、万引きだけでなく店員に対して文句を言うのも老人客が多いのだとか。

「シニア客は、男女問わず店員にクレームを入れるんですよね。サービスが悪いに始まり、店の掃除が行き届いていない、せっかく行ったのに欲しかった商品が無かったなど、とにかくさまざまなクレームの電話がシニア客から毎日かかってきます。高級店のようなサービスを求めてくる勘違いしたシニア客は非常に多いです。そんなに不満なら、うちに来なくていいからと思いますね」

◆女性に体当たりする「ぶつかり老人」が出没

迷惑な老人客に毎日接している川上さんだが、中でも強烈なインパクトを残しているのが「ぶつかり老人」だという。

「土日関係なく毎日のように、夕方の混んでいる時間帯に来る男性のシニア客でした。はじめは、体調が悪くてよろけていのかなと思ったのですが、明確に女性を狙ってカートをぶつけ、ときには体当りすることも。監視カメラでチェックし、この客が来た時はマークをするようにしてました」

迷惑極まりないぶつかり老人だが、明確に窃盗している万引きとは違いどうやって注意すれば良いのか悩んだという川上さん。警察に相談したものの、被害者がいなければ注意も、ましてや逮捕は難しいとの回答だったそうだ。

「警察もパトロールを増やそうかと提案してくれたのですが、夕方の混み合っている時に警官が店内で捜査するのはお店のイメージに悪い。ひとまずは、スタッフで注意しながら被害にあった人を割り出すことにしたんです。ただ、混雑している店内では、カートがぶつかったり、人と人が接触するのは普通のこと。なので、ぶつかり老人の被害にあったという人を割り出すのはかなり難航しました」

◆妊婦の警察官にぶつかり、あえなく御用

そんな時、このぶつかり老人を詳しく知っているスタッフの知人が現れたという。数々の悪行を繰り返しており、地元では有名だったそうだ。

「バスで優先席に座っていた妊婦さんに説教してどかすなど、問題のある人物として名が知れていたようです。確かに、うちの店内でも妊婦さんや小さい子ども連れを狙ってぶつかり行為をしている場合が多い。何か恨みがあるのか……」

とはいえ、明確に被害者がいない中では、警察に突き出すこともできない状態。しかし、意外にもこのぶつかり老人は、あっさりと警察に連行されることになったとか。

「ぶつかり老人の話は周辺でも有名になり、スタッフも周囲の人に注意喚起してくれていたのでお客さんも気をつけるようになっていた。そんなことを知らず、問題のシニア客はぶつかり行為をせっせとしていたんです。そんなとき、たまたま非番の警察官がお店で買い物していた時にカートを思い切りぶつけてきた。

実はその警察官は妊婦さんで、今回の騒動を聞いてもしかしたら自分にもぶつかってくるのではないかと、お店に来ていたそうなんです。すぐにぶつかられた警察官はそのシニア客を確保し、なぜぶつかってきたのかを問いつめた。我々も駆けつけて、意味もなくぶつかりにいっている防犯カメラの映像もあることを伝えました。すぐに所轄の警察官も駆けつけてくれて、警察署で事情聴取をすることになり、ぶつかり老人は連行されていきました」

◆犯行を認め、その後は店に来なくなった

これまで、数々の悪事を働いてきたぶつかり老人だけに、警察でも大暴れしているかと思いきや……。

「そのシニア客は、こんな大事になると思っていなかったようで大人しく犯行を認めたそうです。店内で確保していた防犯カメラの映像も提供していたし、言い逃れできないと思ったんでしょうね。あとで警察に聞いたら、ぶつかり行為は暴行罪になるとか……。今回は余罪も多いうえに防犯カメラの映像もあるので、説教だけで帰すわけにいかなく、しっかりと罪に問うとのことでした。その後はどうなったのか教えてもらえていないですが、お店には来なくなったのでホッと胸をなでおろしています」

超高齢化社会を迎える日本では、こういったトラブルは誰でも経験することになるのかしれない。悪行を見過ごさず、今回のようにキチンと処罰を下せるように、われわれも準備をしておかないといけない。

<TEXT/高橋マナブ>

【高橋マナブ】

1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている