終わりが見えない更年期症状に、さらに落ち込んでしまうという人もいるでしょう。更年期が終われば更年期症状は治まるのか、治まるとしたらどのように変わるのか、気になるところですね。そこで、更年期症状はいつまで続くのか、終わりのサインはあるのかどうかを産婦人科医の駒形依子先生に聞いてみました。

監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。

閉経から5年たてば更年期卒業。軽くなる症状も



更年期とは、閉経を境に前後5年、10年間を指します。それなら、閉経から5年たてば更年期症状はすべて終わるのでしょうか。

「更年期症状は、急激な女性ホルモンの低下に体が慣れないこと、また不安定な女性ホルモンの分泌から来る不調です。そのような“ゆらぎ”に体が慣れてくれば更年期は終わるといえます。“ゆらぎ”の特徴的な症状である、イライラや落ち込みなどの気分障害や、ホットフラッシュやのぼせといったものは、少しずつ落ち着くかもしれません。閉経から5年もすれば、やり過ごし方や乗り切り方を学んでいることが多いです」(駒形先生)

症状がなくなるのではなく、慣れてくるので軽く感じるようになってきたら更年期の卒業サイン、ということなのですね。

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すべての症状が軽くなるわけではない



しかし、更年期を過ぎてもすべての症状が軽く感じるようになるわけではないと先生は言います。

「例えば関節痛などは、もともとあった加齢変化が更年期で悪化していったことが考えられます。更年期を過ぎたら、加齢変化は激しくなるわけですから、良くなることは考えにくいです。

また、気分障害についても改善しない場合があります。そのときは更年期症状が自律神経失調症と名前が変わるだけです。更年期が終わったら、加齢変化によるさまざまな健康リスクが高まります。年に1度の健康診断は必ず受けるようにしてください」(駒形先生)

先生によれば、更年期にどの症状が一番つらかったかどうかが、終わりのサインを感じられるポイントということです。ホットフラッシュやのぼせがつらかった人は少し落ち着きますが、関節痛など加齢変化を伴う症状では改善したという自覚は持ちにくいそうです。