実際に金融危機などで株価が大暴落したら資産の一部を現金化するのがよいとされていますが、どれくらいの割合を現金化するべきなのでしょうか。本記事では、DAIBOUCHOU氏による著書『バリュー投資の億り人が教える 新NISA「成長投資枠」で1億円: 10日で学ぶ10年10倍株の探し方』(東洋経済新報社)より一部抜粋・編集して、株価が暴落した際の資産現金化について解説します。

金融危機による株価暴落が起きたら、どのぐらい現金化すべき?

リーマンショックの際には、株価は直前高値からボトムまで51%もの下落となりました。このような場面に出くわしてしまった時には、ある程度、株式への投資比率を下げたほうが良いでしょう。

では、金融危機による株価暴落が生じた時、実際問題、どの程度までキャッシュにすれば良いのでしょうか。保有しているポートフォリオをすべて売却してキャッシュにしたほうが良いのでしょうか。

私は30%を目安にキャッシュにしています。なぜキャッシュ30%なのか。それは、金融危機にならずに反発する、本当に大暴落が来る、その2択のどちらが起こっても、想定内の結果に終わらせたいからです。

金融危機にならずに反発して取り残されても、株式が70%あれば反発の利益を期待できます。株価が半分になるような大暴落でも、65%(株式が半分になって35%+現金30%)残るので、暴落の想定である30%程度の下落の範囲内に収まります。

長期的な収益では株式は現金に勝ちますので、現金化は最小限にとどめるのが基本です。それが30%だと、私は思っています。つまり、1,000万円の株式ポートフォリオを持っているとしたら、そのうち300万円をキャッシュにします。

ざっくりとしたイメージで申し上げますが、1,000万円の株式ポートフォリオのうち30%を現金化した場合、残りの70%は株式で保有します。金額にすると700万円です。仮に、その700万円が半分になってしまったとしましょう。つまり700万円の価値を持っていた株式が350万円になったということです。

金融危機が落ち着いた時に、300万円の現金が生きてきます。350万円の株式に、300万円で新規に追加して650万円の株式を保有します。その後、市場が好転して650万円の株式が1・5倍になると975万円ですから、ほぼ元の水準に戻ります。

たいてい株価が半分になるほど大きく下げた後は、それが1.5倍になる程度のリバウンドが来るので、それを利用して資産価値を回復させます。そのために、私は30%のキャッシュを持つようにしているのです。

専業投資家インフルエンサー

DAIBOUCHOU

※本記事は『バリュー投資の億り人が教える 新NISA「成長投資枠」で1億円: 10日で学ぶ10年10倍株の探し方』(東洋経済新報社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。