野花や雑草の取り入れ方のバランス
野花や雑草を庭づくりに取り入れる際に難しいのは、その取り入れ方のバランス。自然の仕組みを生かしたガーデニングであっても、一番やってはいけないことは、じつは放置です。近年、雑草を取り入れた自然栽培という栽培方法があり、私もこれに近いことをしていますが、自然が一番いいからといって、放置することがよい訳では決してありません。
面白い植物の実験に、1日3回手で撫でたナズナと、全く手で撫でなかったナズナの成長を記録したものがあります。実験の結果はというと、撫でたほうが愛情を注いでいるから成長した…かと思いきや、全く成長せず、小さいまま花が咲きました。一方、全く手で撫でなかったナズナはグングン元気に成長し、歴然とした差が現れました。
植物は生態系を支える一次生産者で、常に食べられる危険性があるがゆえに、草食動物に食べられないよう刺激が多い場所では小さくなったのかもしれません。いつも人が歩く場所では、確かに草は小さくなっていますよね。
人が手を入れなければ雑草は旺盛に伸び、育てている植物に覆い被さって光合成の邪魔をしてしまいます。ですから適度な草刈りや除草はかかせません。もっとも秋に生える野草は、背丈が低く大人しい草花がほとんどです。野花や雑草の特徴を把握し、それぞれを程よく残して庭に取り入れることで、生態系を豊かにし、害虫抑制を図ってみてはいかがでしょうか?
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雑草抑制のために草花の種まきを
何の手入れもしなければ、庭や畑はもちろん雑草だらけになってしまいます。そこで私が取り組んでいることは、草花の種子を播くこと。さまざまな草花の種子がありますが、私はあらかじめ春に咲く秋まきのものを購入しておき、9月後半から10月の間に播いています。草花が雑草の成長を抑制しつつ花を咲かせるので、雑草取りの労力も減りますし、適度に野花が入り交じる花畑のような美しい仕上がりに。花の蜜を求めて多くの生き物が集まるため、生態系も整います。花畑を作ることで、結果的にバラや菜園の野菜の害虫や雑草を抑制してくれるのです。
種まきをしても環境に合わない草花は自然と絶え、環境に合うものが残ります。咲いた花は種子を採取し、また秋に種まきすることで、コストを削減できます。さらに植物には適応能力があり、育った環境の学習が次世代に引き継がれるため、自家採種した種子はより環境に適応して強い株になり、少しずつ育てやすくなっていきます。
こうして残った環境に合う植物は、ほとんど手がかかりませんし、元気よく育って見事な美しい花を咲かせてくれます。ありふれた草花であっても、生き生きと咲いている姿は見応え十分で、見る人を感動させてくれます。創造という無限の可能性に触れることができるガーデニング。自然や宇宙の目には見えない摂理とも繋がり、内なる自分自身とも向き合う神聖な行為だと、私は感じています。
四季折々に咲く草花や季節ごとに移り変わる景色、生き物の営み、鳥のさえずりや虫たちの美しい演奏、土や草花の香り……五感を通して感じるすべてに癒やしがあります。小さな虫の赤ちゃんが懸命に生きて少しずつ育っていく姿を見ていると、私も嬉しい気持ちになりますし、いつも害虫が増えすぎないように整えてくれる生き物たちには「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えています。
私は害虫や益虫と区別せず、全ての生き物に感謝しています。自然界では、それぞれが影響し合い、依存しています。だからこそ、無駄な生命はなく尊い命なのです。