自然の恵みを分かち合う

植物を育てていれば、病害虫対策は尽きることのない悩みです。しかし、本来は癒やしを求めて植物を育てているはずなのに、病害虫対策に神経をすり減らしてストレスに感じてしまうのでは本末転倒。

ガーデニングや菜園では、私たち人間が楽しむために植物を育てますが、植物は本来、誰の所有物でもなく生きとし生けるもの全てと恵みを分かち合う存在だと思います。いま地球規模で起きている環境問題も、地球や自然を人間の所有物だと思い込み、他の生命を顧みず好き勝手に独占してきた結果ではないでしょうか。

だからこそ、多少虫に食べられたとしても目くじらを立てず、恵みを分かち合う存在として温かく見守る気持ちを持つことが、いま起きている地球規模の危機を救うきっかけになると、私は信じています。

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文&写真(クレジット記載以外) / 持田和樹



アグロエコロジー研究家。アグロエコロジーとは生態系と調和を保ちながら作物を育てる方法で、広く環境や生物多様性の保全、食文化の継承などさまざまな取り組みを含む。自身のバラの庭と福祉事業所での食用バラ栽培でアグロエコロジーを実践、研究を深めている。国連生物多様性の10年日本委員会が主宰する「生物多様性アクション大賞2019」の審査委員賞を受賞。

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