ロックバンドのライブに行ったところ、コインロッカーが空いていても、どこも荷物だらけだった――。空いたロッカーに荷物が入れられた様子の写真がXで投稿され、自分もこんな体験があると共感の声が続々寄せられている。
各ライブハウスでは、有料ロッカーを無料で使うのは、不正行為だとしている。その現状と対策について、取材して話を聞いた。
「スタッフが荷物を預かり、ロッカー代を支払ってもらう」
コインロッカーについての投稿は、2024年12月中旬にX上であった。
それによると、投稿者は、仕事などの都合で、川崎市内のライブハウス「クラブチッタ」に少し遅れて着いた。ロッカーは、大小含めて600個近くあり、そのうち多くを占める300円の小ロッカーを利用しようとした。
荷物を預けようと、カギが付いたままの空いたコインロッカーを1つ1つチェックする。しかし、他の客の荷物が入っていて、なかなか預けられない。早くライブ会場に入りたいのに困惑していると、ようやく8個目で空きを見つけたという。
投稿者は、荷物が入ったロッカーの写真をいくつか示し、金を支払わずにロッカーを使う人がいなくなってほしいと訴えていた。
この投稿は、大きな反響を呼んで、同様な体験談などが次々に寄せられた。まとめサイトにも取り上げられている。
空いたロッカーに荷物が放置されていたとの訴えについて、クラブチッタの担当者は20日、J-CASTニュースの取材に対し、多くの客は、金を支払ってロッカーを利用しており、荷物を放置するのはごく一部の客だと説明した。頻繁にあることではないが、時々見られることだという。
「お客様から、空いたロッカーに荷物があって入れられないと聞いたときは、中の荷物をスタッフが預かって、荷物の客が来たときにロッカー代を支払っていただいています。スタッフが空いたロッカーに荷物を見つけたときも、預かっています。有料のロッカーですので、お金をきちんと支払わないといけません。そうしないと、不正行為になります。過料のようなものを要求してはいませんが、その都度、『止めて下さい』と注意しています」
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300円のロッカーなら、400円に割り増すライブハウスも
有料ロッカーを無料で使う客がいるのは、他のライブハウスでも同様のようだ。
全国各地にライブハウスなどを展開する「Zeppホールネットワーク」も12月20日、取材に対し、コインロッカーで時々見かけることだとホール運営管理部が明かした。客層によって、多いときと少ないときがあるという。
「荷物をロッカーに入れて、カギをかけ忘れるお客様もいます。コインを入れたまま、カギがかけられていないケースもありますね。中には、お金の節約のために、空いたロッカーに荷物を置いたままにすることもあるかもしれません。別のお客様から空いたロッカーに荷物が入っていると聞いたときは、荷物を取り出してカウンターに保管しています」
スタッフは、不審物のチェックも兼ねて、カギが付いたままのロッカーを点検して回っている。荷物が放置されていたときは、そのままカギをかけて、カウンターでカギを保管するという。
Zeppのライブハウスでは、空いたロッカーに荷物を放置することについて、「不正利用になります」と掲示して知らせている。発見したときは、通常料金より割り増しした料金を支払ってもらっているとした。
「荷物が置いてあったロッカーには、貼り紙をして料金の支払いに来ていただきます。通常料金より高いため、納得できないお客様もいるかもしれませんが、不正利用になりますので、その抑止のために、例えば、300円のロッカーなら400円を支払っていただきます。ロッカーの大きさによって、料金は異なります」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)