過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2019年12月14日 記事は取材時の状況) * * *
1年を締めくくる忘年会。会社の同僚や地元の仲間と集まり、2次会にキャバクラに行く人も多いのではないだろうか。しかし、中にはハメを外しすぎてしまいキャバ嬢をドン引きさせてしまう客も少なくない。
今回はキャバクラ嬢が忘年会で見た客のドン引き行動と事件簿について聞いてみた。
◆武勇伝を語る客、会計を払わない客
まず話を聞いたのは東京郊外のキャバクラに勤めるミウさん(仮名・29歳)。
「忘年会シーズンになると普段見えない人の本性がよく出るんですよね……。たとえば、普段は全然飲まない人が忘年会で飲まされて急に過去の武勇伝を語りだしたり。真面目そうなマッシュルームカット男がベロベロになりながら『俺、昔地元でチャラかったんだよね~』と言い出して昔の写真を見せてきたのですが、超真面目そうな学校の中で無理して茶髪にした陰キャが写っているだけなんですよ! 『私も昔ギャルだったんだよね』と、自分が中学のときのマンバ時代の写真を見せたら『うわぁ!』とドン引きされましたよ(笑)」
酔っ払って武勇伝を話してくる客は多いが、この時期になると特に増えるのだそう。また、こんな困った客も忘年会時期には多いという。
「団体客だとドサクサに紛れて会計を払わないヤツも多いですね。全員がお金を払ったと言っているのに、どう考えても足りないんです。多分、誰かが指名したとか女の子にドリンクを飲ませて過ぎたとか。酔っているからみんな覚えていないんですよ。
でも1番酷かったのは、会計時に姿をくらましたヤツ。12人で来ていたはずなのに、会計のときになぜか11人しかいないんですよ! どうやら、そのグループの1人が電話してくると言って出てそのままいなくなったんだそう。一緒に来ていたお客さんが探しても結局、戻ってきませんでしたね。店の女の子達の間では『たった1万円でサラリーマン人生の将来が絶たれたヤツ』として語り継がれています(笑)」
◆社長のオキニを口説く平社員に…
忘年会でキャバ嬢がドン引きする客はまだまだいる。続いて話を聞いたのは都内のキャバクラに勤めるマナカさん(仮名・25歳)。
「店によく来てくれる人でIT会社の社長をしている人がいるんです。普段は副社長とか役職の人としか一緒に飲みに来ないのですが、忘年会のときは全社員を連れてきてくれて。『今日は無礼講だから』という社長に対して何を勘違いしたのか、1番ペーペーそうな部下が急にイッキを始めたんです。最初は社長も笑っていたのですが、それに調子に乗った部下はトンデモない行為に……。
なんと、社長の1番の指名嬢のモエちゃんという子をいきなり口説きはじめたんです。それもモエちゃんの腰に手を回したり、太ももに手を置いたりとかなりシツコイ感じで。
モエちゃんは軽く流していましたけれど、そこにいた全員がドン引きで。さすがの社長も苦笑いしていましたね……。新年が明けてしばらくした頃にまた社長が飲みに来てくれたのですが、例の部下の姿はありませんでした。副社長いわく『自主退社した』と言っていましたが。まぁ、お察しですよね……」
◆幹事のスマホが鳴り…嫁激怒の顛末
そして最後はハメを外しすぎてしまい、悲惨な忘年会となってしまったケース。語ってくれたのは大阪のキャバクラに勤めるナツさん(仮名・23歳)。
「うちの店はVIP席がカラオケ個室になっていて、そこで去年お客さんが忘年会の余興をやったんです。踊ったのはDA PUMPの『U.S.A』でお客さんも女の子も大盛りあがり! その様子をみんなで動画撮影していたのですが、Kさんというお客さんがインスタのストーリーにその動画をアップしたんです。それからしばらくしてカラオケをして盛り上がっていたら、突然、Kさんのスマホが鳴りだしたんです」
突然の電話に最初は特に気にしていなかったKさん。だが、ふと着信画面を見ると急に青ざめたように電話を持って店の外に出ていったという。
「どうやらKさん、キャバクラとバレないようにダンスの部分だけをストーリーにアップしたつもりが、後ろの鏡に指名嬢と肩を寄せ合う姿がバッチリ写り込んでいたらしいのです。それをKさんの奥さんが見てしまったようで、奥さんから鬼電がかかってきたというのです。
さらにタイミング悪いことに奥さんは妊娠していて実家に帰省中。初産で精神的にピリピリしていたそうで、Kさんは『ふざけんな! 今すぐ帰れ!!!』と電話越しに怒鳴られていました……。『幹事だから帰れない』というKさんに奥さんはまったく聞き耳持たず……。
しまいには『今から、その店に乗り込んでやるからな!!』とまで言われてしまい、渋々他の人達に謝ってKさんだけ先に帰ることになりました。当然、幹事がいなくなった忘年会はお通夜のようにシーンとしていました。私達も『追加のボトル頼んでイイですか?』と聞けずに、薄~い水割りを飲んでいましたね……」
その年の苦労を忘れるための忘年会のハズが、周囲からドン引きされてしまっては興ざめもの。新年早々、上司やキャバ嬢にサム~イ視線をぶつけられないようにいつもより気合いを入れて挑んだほうが良さそうだ。
<取材・文/カワノアユミ>
【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano