豊富な資金力で知られるソフトバンクだが、今オフは主力選手が相次いだ。

メジャー帰りの投手・上沢直之を獲得 捕手もポスト甲斐に虎視眈々

最多勝に輝いた実績を持つ石川柊太がロッテにFA移籍。正捕手を長年務めた甲斐拓也もFA権を行使して熟考の末、巨人への移籍を決断した。

2人の退団は大きな痛手に見えるが、他球団の見方は違う。パリーグ球団のスコアラーはこう分析する。

「石川が抜けましたけど、上沢直之を獲得しました。米国で1年しかプレーしていないので、NPBにすぐに適応できるでしょう。捕手陣は甲斐が大黒柱でしたが、海野隆司は能力が高いですし、若手成長株の谷川原健太がブレークする可能性を秘めている。経験を重ねている嶺井博希も控えていますし、大きな穴にはならないでしょう。来年も間違いなく強いです」

(広告の後にも続きます)

前田悠伍、前田純ら若手が順調に成長

たとえば今年(2024年)、柳田悠岐が5月下旬から右太腿裏肉離れで4か月近く長期離脱したが、柳町至や正木智也が奮闘。チーム力が落ちず、首位を独走した。

先発陣も石川が移籍し、今季限りで和田毅が現役引退したが、大きな懸念点にはならないだろう。

上沢は日本ハムで2ケタ勝利を2度マークするなど通算70勝をマーク。米国ではレッドソックスで2試合登板のみに終わったが、日本ハムで昨年リーグトップの170イニングをマークしている。

若手の前田悠伍、前田純も順調に育っており、先発で一本立ちが期待される。

石川、甲斐が抜けたことで、新戦力が台頭する可能性がある。小久保裕紀監督の用兵術に要注目だ。(中町顕吾)