こんにちは。食のトレーナー、原田マチ子です。50代、更年期世代のカラダを整え、元気にする「応援めし」。
第3回目のテーマは「冷え」対策。多くの私たち50代女性が抱える冷えの悩みを食の力で改善すべく、心も体も温めてくれるレシピをご紹介します。
冷え症は自律神経のバランスにも影響が!
日々の食事で体温を上げることが大切
布団からなかなか出ることのできない季節がやってきました。手足が冷たくてベッドから起きられない、朝ストーブの前から動けないなんてことありませんか?実は私もその1人です。
多くの女性が悩まされている、冷え。更年期では、「エストロゲン」という女性ホルモンの減少により、さまざまなな不調が私たちの体には起こります。手足は冷たいのに顔は火照ってしまう、大量の汗が出るなど、ホットフラッシュと冷え性両方で悩まれている方も。
冷え症の方は「良い睡眠」ができていないことが特に辛いと言われます。体がなかなか温まらず眠りにつけない。夜中に足先が冷たすぎて起きてしまう。朝、体の芯が冷えていて起きられない……など、不眠により自律神経の乱れから、ストレスやイライラ、疲れやすいなど体調を崩しやすくなることがあります。更年期の症状は自身でコントロールできないこともありますが、日々の食事や生活習慣に目を向けてみることで予防や軽減できることが理想です。旬の食べ物や体を温めるお味噌などの発酵食品、そしてお米を食べることで、体の中でエネルギーを生みだし体温を上げていきます。体温が上がり、燃えやすい体を作ることが冷えの予防や軽減につながります。
「噛む」ことは運動です
体が冷える原因に筋肉量の減少があります。運動することが体に良いということはわかってはいるものの、日々の生活の中で、ジムやヨガに行くことや、運動を意識的にすることはハードルが高いと感じる方も多くいると思います。私がおすすめしているのは、普段の生活の中に少しの運動を取り入れることです。階段の下りは歩く、電車のなかでは一駅立つなどの小さい運動です。
そして、一番おすすめの運動は「そしゃく(噛む)」です。私たちの体は口を動かすだけで、蠕動(ぜんどう)運動と言って食べ物を消化吸収するために胃腸が動いてくれます。胃腸がしっかり動いてくれると、栄養を吸収し、いらないものを排出するという一連の内臓の動きがあります。お米をしっかり「噛む」ことで、エネルギーになり身体が燃焼し、体温を上げる――つまり胃腸が筋トレをするというイメージです。さらに体幹が鍛えられ、代謝が上がるなど良いことだらけです。
普段なかなか意識しない「噛む」という運動習慣を身につけるだけで、更年期世代の健康面での利益はとても大きいのです。
今回のレシピは心も体も温め、そしゃくもしっかり促す味噌風味の鍋です。
普段の食事や習慣を少し意識することで、更年期の症状とも上手に付き合っていきたいですね。あったかい鍋のパワーで、この冬を元気に乗り越えていきましょう!
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胃腸の筋トレを促す
「鶏団子の温活あったか簡単鍋」
発酵調味料の味噌や塩麹で腸内環境を整えます。生姜やニラ、鶏肉は身体の中から温める薬膳の効果もあり、消化吸収を促し、寒い冬を元気に乗り切るパワーアップ食材です。油揚げにはエストロゲンと似た働きをする大豆イソフラボンがとても豊富です。ニラのビタミンとイソフラボンの組み合わせで嬉しいアンチエイジング効果も。旬の長芋はビタミンやミネラルも豊富で、胃腸の働きを活発にしてくれるアミラーゼという酵素の働きもあるため、忙しい師走を乗り切るにはもってこいの食材です。長芋に含まれる酵素は熱に弱いため、食べる前にお椀に乗せると歯ごたえもあり、そしゃくしやすく胃腸の筋トレにも!
【材料(2人分)】
鳥むね(もも)ひき肉……100g
小ネギみじん切り……小さじ2
塩麹……小さじ1
白ごま……小さじ1
生姜すりおろし……小さじ1
長芋……60g
ニラ……1/3束
エノキ…… 100g
油揚げ……1/3枚
白味噌(お好きな味噌)……小さじ1
だしパック……1包
キムチ(お好みで)……30g
【作り方】
①鶏ひき肉と塩麹、小ネギみじん切り、白ごまを混ぜる。
②鍋に水600ml を入れ、だしパックを入れ日にかける。沸騰したら取り出す。
③生姜すりおろしと味噌を溶かし入れる。
④①をスプーンで団子にし、鍋に入れていく。
⑤ニラを4cm長さに切る。
⑥長芋は皮を剥き、5mmくらいの厚さに切る。
⑦④に火が通ったら、ニラと油揚げ、石づきを切ったエノキをほぐし入れる。
⑧⑦に火が通ったら長芋とお好みでキムチを乗せて完成。
《エネルギー(一人分)/175㎉ 塩分/1.81g タンパク質/13.9g 脂質/9.2g 糖質/8.7g》