『仙台せり』は食感と根っこが魅力!栄養価が高く鍋の材料にも最適

せりは『古事記』や『万葉集』といった文献にも記載のある野菜で、現代でも春の七草の一つとして知られています。

その中でも仙台せりは近年「せり鍋」が名物料理としてその知名度を上げるなど、注目の集まっている品種です。

今回は仙台せりの特徴や栄養効能に加えて、調理における留意点や仕入れ先について解説します。

仙台せりとは

せりは「競るように伸びる」様子から「競り」がその名前の由来だとされています。宮城県はせりの生産量において全国的なシェアを誇りますが、そのうち約8割を占めているのが名取市の「仙台せり」です。

仙台せりは根と茎の部分が太く、丸ごと味わうことで食感の違いを楽しむことができます。特に旬にあたる8月下旬から翌年4月下旬までのうち、冬場は根の甘味の強さと香り高さが特徴的です。

仙台せりの品種

仙台せりのうち代表的なものは「Re14-4」と呼ばれる品種です。太い根と茎をもち、柔らかい食感を楽しめます。また、せりが敬遠されやすい一因である苦味を少なくした品種であるため、比較的口当たりのよいせりといえるでしょう。

(広告の後にも続きます)

仙台せりが根っこまで食べられるようになったのはここ十年ほどだという

仙台せり鍋が有名になったのはここ十年ほど、それまでは根っこまで食べていかなったといいます。
仙台せり鍋の名店で知られる居酒屋「侘び助」女将がお店を始める前に全国で食べ歩きをしていたところ、秋田県湯沢市三関地区で「三関せり」に出会ったことがきっかけだといいます。秋田ではせりの根っこを食べる文化があり、「きりたんぽ鍋」ではもともと根っこまで入れて食べられていたそうです。
この文化を知った女将は、約400年前からせり栽培が続く名取のせり農家に相談し、根っこまで美味しいせりを作って欲しいと提案し、それからせり鍋の提供が始まったと言われています。
これが仙台せり鍋でせりが根っこまで食べられるようになった由来だそうです。