解決策 

こうした問題に対し、解決策はあるのでしょうか? 

1.住まいの見直し 

美智子さんにとってタワーマンションは大切な場所ですが、維持費が負担なら賃貸に出す方法もあります。郊外に引っ越せば、月3~5万円の余裕が生まれる可能性があります。また、リバースモーゲージを活用し、自宅を担保に生活費を確保する選択肢もあります。 

2.家族間の対話 

娘との対話を増やし、無理のない形で助けを借りることが大切です。「助ける」ではなく「一緒に楽しむ」提案が心理的な壁を取り除く鍵となります。 

3.公的支援や地域のコミュニティ活用 

孤独を感じる美智子さんにとって、地域のシニア向けプログラムや自治体の支援は大きな助けとなります。生活費を軽減するための補助金や住宅支援制度も有効です。 

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子どもに迷惑をかけたくない高齢親

「ここには来ないで」美智子さんの言葉の裏には、経済的な不安と心理的な葛藤がありました。 しかし、それ以上に大きかったのは「娘に迷惑をかけたくない」という親心。少子高齢化が進む日本では、こうした問題を抱える高齢者が増えています。親を想う子ども、子どもに頼りたくない親。そのまま放置してしまえば、あとあと大きな問題へと発展してしまうケースもあります。

ファイナンシャルプランナーとしては、住まいのコストを再評価し、無理のない生活設計を提案することが重要です。 そして、家族とのつながりを取り戻すためのサポートも欠かせません。

美智子さんのような方が「安心して暮らせる」環境を作る。それが、私たちに求められている課題ではないでしょうか。

波多 勇気

波多FP事務所

代表ファイナンシャルプランナー