筋肉は健康に大切、とわかってはいても、きついトレーニングは敬遠したいし、がんばっても続かないのが現実……。でも、大丈夫! 今注目されている、きつくない、がんばらなくていい、そんな新しい方法を紹介します。
教えてくれた人:桂良寛(かつら・よしひろ)さん
工学院大学教育推進機構保健体育科准教授。健康寿命の延伸をテーマに、主に中高齢者に対するエキセントリック体操の効果について、現場で指導しながら研究している。
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筋トレのカギは“上げる”ではなく“下ろす”
筋トレというと、ダンベルを持ち上げる、仰向けから起き上がる、などを思い浮かべるのではないでしょうか。
「持ち上げる、起き上がるなどの動作は、筋肉を縮めながら力を入れる動きです。でも、意外なことに、ダンベルを下ろしたり、上体を後ろに倒すなど、筋肉を伸ばすときに力を入れるやり方の方が、効率よく筋肉が増えるとわかったのです」と語るのは、運動生理学を研究している桂良寛さん。
体にかかる負担が少ないのに効果は高いとあって注目されています。
「運動生理学では筋肉が縮むことを“コンセントリック”、伸びることを“エキセントリック”と呼ぶため、この運動は“エキセントリック体操”と名付けられました」
やり方は簡単。5秒かけてじわっと筋肉を伸ばしながら、ちょっとぷるぷるする程度の負荷をかけるだけ。がんばらなくても筋肉量がみるみる増えます。
「力の入れ具合を脳でコントロールしなくてはいけないので、認知機能も活性化します。血糖値や悪玉コレステロール値の減少にも、より効果的という報告も」