遠近法を利用したデザインとライティングのポイント


アーチを浮かび上がらせる、クールなスリット状のLEDライティング。

今回ご紹介した住宅事例では、変形敷地だったこともあり、ファサードの門袖や塀は道路と平行に配置されていますが、住宅は斜め方向に設置されています。この配置によって、遠近法により奥行き感が増幅され、ゆったりと豪華な雰囲気を生み出します。

門まわりのアーチはフレーム効果で間口の広さを強調するとともに、高級感のあるデザインのアクセントに。門袖の横ボーダー状の照明は、表札の文字を照らし出すだけでなく、おしゃれな夜景を演出しています。

床や塀の素材を光沢のある仕上げにすれば、ライトの反射も楽しむことができます。一方マットな素材では、灯りの映り込みはありませんが、少しつやのある仕上げにすることで、ハレーションによる幻想的な世界観を表現もできます。ただし、アプローチまわりの床材を、きれいに磨き上げた光沢のある本磨きにすると、雨天時では滑って転ぶこともあるので注意が必要。磨き具合はホームセンターやショールームに出向き、実際に自分の目で見て研究してみましょう。もちろんライティングも実際に見てみることが大切です!

このような塀や建物の配置や、さまざまなライティング効果を参考にして、ステキなファサードを創造してみてはいかがでしょうか?

設計施工 株式会社Office Hanyuda ~Protect Garden~ 羽生田新悟

Credit

写真&文 / 松下高弘
– エムデザインファクトリー主宰 –


まつした・たかひろ/長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、大手ハウスメーカーやエクステリア業のセミナー企画、講師を行う。

2007年出版の『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』の改訂版として、新刊『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』が大好評販売中! 色の知識、住宅デザイン様式に合わせたエクステリア&ガーデンデザインとカラーコーディネート、プレゼンシートのレイアウト案など、多岐に渡る充実の内容! 書籍詳細はグリーン情報ホームページから

著書

『住宅エクステリアのパース・スケッチ・イラストが上達する本』彰国社

『気持ちをつかむ住宅インテリアパース・スケッチ力でプレゼンに差をつける』彰国社

『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』グリーン情報 など他多数