MEGUMIが語るスペインの魅力「住むくらい好きな国」

スペイン大使館観光部主催、marie claire共催で11月15日に行われたイベント「サロン・ド・マリ・クレール スペインの美食」。俳優・プロデューサーとして多彩に活躍するMEGUMIさんとスペイン料理研究家の永田枝理子さんがスペインの美食や街並みなど魅力について語った。本場のワインやタパスを堪能しながら、約80人の参加者がトークに聞き入った。

―――そもそものスペインとの出会いは?

永田:私はスペインのことを当初まったく知らなかったんです。でも、行った1日目から恋に落ちてしまった。スペインの北部のブルゴスという古都は本当に美しくて、中世の街並みそのままでタイムスリップしたような気持ちに。もう1度行きたいと思って、半年後にはスペインに留学しました。

MEGUMI:素晴らしい!

永田:町の美しさ、お料理、スペインの人のやさしさに会いたくて、つい、スペインに帰ってしまう。

MEGUMI:分かります! 私も、1年前にスペインに初めて行きました。当時、心身共に疲れ切っていて、バルセロナに行った仲の良い友人がスペインに行ってパワーをもらったと教えてくれ、さらにピラティスの先生にもパワーをもらえる場所と言われて、これは行くしかないと。そして行ったら、1回で大好きになった。古い建物から抜ける青空のコントラストとか。

永田:めちゃくちゃわかる!

MEGUMI:東京にいると、「あの時ああすればよかった」とか「この先こうかな」、と過去と未来の中で生きているけど、スペインの人は常に今にフォーカスして生きている。その成熟した感じが好き。(スペインにいると)オレンジジュースを飲んでいるだけでも、歩いているだけでも幸せ。旅先でこれまで感じたことがなかった気持ちになる。スペインの滞在で、太陽からエネルギーをもらい、人生を見つめ直す時間になり、むくむくと元気になった。大丈夫と思えるようになった。そこから、5、6回行き、実は今、スペインに家も所有しています。バルセロナと日本を行き来する生活をしているんです。お野菜を買って、お料理して好きなバル行って、近所のおじさまにご挨拶して、と暮らしながら2か月に1回くらいはスペインに行っている。実は、日本とスペインの合作映画作品も企画中なんです。仕事も向こうでできたらいいなと思っている。スペインは、住むくらい大好きな国ですね。


MEGUMIさん提供

MEGUMI:教会が好き。サグラダ・ファミリアやバルセロナ大聖堂などもやっぱり好き。街の中で、異様なサイズ感で存在している。何百年もかけて建築した。これを考えたガウディの考えを今もなお受け継いでいるところに、ロマンを感じる。ステンドグラスの美しさが時間帯によって違うのもいいですね。行くたびに風貌が変わる。日本人も建築に携わっていたらしく、日本人としても誇らしいですね。


MEGUMIさん提供

MEGUMI:バルセロナはコンパクトなので、どこにでもささっと行ける。電車に乗ったり、1時間くらい歩いたり。自宅から旧市街などをよくぶらぶらしています。

スペインの食について


©Eriko Nagata

永田:バルセロナから飛行機で1時間ほどのビルバオからも近い場所にある、サン・セバスティアン。そこからバスで15~20分くらいの港町(ゲタリア)の魚の炭焼きがおすすめ。メイン通りには、レストランやバルがあり、炭焼き場が通りに面してある。温めたニンニク入りオイルやビネガーをお魚に回しかける料理。熱々のこの料理は、地域の白ワインとともに食べる。夜はピンチョス巡りが人気だけど、昼間はこんな豪快なメニューが食べられておすすめ。

MEGUMI:わー、いいなぁ、行きたい! サンセバ!


©Eriko Nagata

永田:スペインは豚や羊のイメージもあるけれど、北部には牛肉を好む文化がある。こちらは、リンゴを発酵させたお酒、シードル(シードラ)を使うメニュー。リブロースを熟成させた、チュレトンというステーキ。1月後半に、リンゴ酒解禁の時に大樽から注がれるリンゴ酒を輪になってこぼさないように皆で回し入れる行事があって。

冬に行かれることがあれば、サン・セバスティアンからバスで20分ほどの場所に、リンゴ酒の醸造所が集結しているアスティガラガという村がおすすめ。周辺も合わせて約40軒ほどの醸造所があります。炭焼きでカリっと焼いたお肉に粗塩が降られて、リンゴ酒にとても合う。でも、2人など少人数で行くと、現地サイズで2kgのお肉が出てきちゃうこともあったので、気を付けてください。グラムで指定するといいです。

MEGUMI:すごい! 現地は価値観が違うからね。

永田:さすがに2kgはつらいので、持って帰ったりします(笑)旧市街はバルがあってビーチがあって山があって、日本の熱海のよう。どこでもおいしいものが食べられる。お肉やお魚、お野菜もとてもおいしい。サン・セバスティアンのピンチョスは3、4軒はしごすることもできるから楽しめます。

MEGUMI:たくさんの食材がどれも素晴らしいからね。楽しめますね。


©Eriko Nagata

MEGUMI:わー、これめっちゃ好きなやつ!

永田:日本でもおなじみのタコのガリシア風。スペインの北にあるポルトガルに近い場所のお料理。不思議ですが、海から100km離れた内陸の村が発祥。修道院に入るときに世俗のものを捨てる風習があるが、生まれ故郷の漁師町に財産を置いて行った人に対して、漁師たちが、お礼にとものすごい量のタコを修道院におさめたところから、この料理が生まれたという。ガリシアは緑が多くて川も流れていて、おいしい水が海に流れ込み、おいしいエビや貝などを食べて育ったタコだから、ガリシアのタコは本当においしい。ぜひガリシアで食べてほしい。

MEGUMI:スペインのタコはやわらかいですよね。日本では食べられない食感。

永田:日本のタコとまた違うんですよね。濃い味がする。


©Eriko Nagata

MEGUMI:これは、ビキニ?

永田:さすが、バルセロナっ子。これはビキニ(ハムとチーズをはさんでグリルしたホットサンドイッチの一種。バルセロナなどのカタルーニャ地方でよく食べられる)ではなくて、実際は、エンパナーダ! 小麦粉で作った皮で色々な具が入ったパイのようなお料理。歴史の深いお料理。具は何でもよい。ムール貝やカニなど。旅先でパン屋に行くことはあまりないかもしれないけど、ガリシアに行くとパン屋さんに、様々の種類のエンパナーダが並んでいる。さまざまなお店のエンパナーダを楽しんでください! あと、ガリシア地方はお酒を頼むとただで出てくるタパス文化があって、出てくる量が多いので、注意してください!


©Eriko Nagata

永田:最後はポテトサラダ。ロシアから入ってきたお料理です。マヨネーズでジャガイモをあえて食べる。オリーブオイルとビネガーが入るので、日本のとは違う風味。旅行で胃が疲れたときに、どこのバルにもあるので、落ち着く味。バルによって少しずつ違う。日本の方にもおすすめ。

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スペインでは1日5食も食べる?


©Eriko Nagata

永田:スペイン人はカフェで簡単に朝食を食べて、お昼が2時から、夜も10時くらいから。朝8時に起きて、カフェ飲んで、おなか空いちゃうので、人によって近くのバルで簡単なものをつまむ(2回目の朝食をとる)夜が遅いので、5時くらいにおやつを食べることがあるけれど、最近では、5食食べる人は少ないそうです。スペインでは5食と言われますが、5食食べているところは、実はない。

MEGUMI:ないらしいですよ(笑)

永田:夜は10時に食べるけれども本当に軽いものを食べるのがスペイン人。観光で行くとおなかがパンパンになってしまうから、私たちのような観光で行く人も、5食は食べられないですね。

永田:観光で行っても1日くらいは市場に行って地元のお野菜を買ってお料理するのも楽しいですね。

MEGUMI:市場は本当に楽しい、良く行きます!バルセロナにもあるので。市場の中にもレストランもあったりね。

永田:バルに関してはMEGUMIさんの方がお詳しいかもしれない。おすすめバルを探すのはどうされていますか?


MEGUMIさん提供

MEGUMI:私は口コミや、長くスペインに住んでいる日本人の方に聞く。一人でいきなり行ってみたりもする。ちょっとだけ食べても許されるので。飛び込んで行っても楽しいと思う。スペインのバルはそこまで高くないしね。

永田:万が一、違うと思っても1杯だけ飲んで、じゃあまた! と出ればいいし。