スイーツとも縁深い、コーヒーの魅力

ギー氏は2つの部門でフランス国家の職人における最高峰の称号「M.O.F.」を獲得しているシェフながら、2016年にはバリスタ・焙煎士の資格も取得。彼はコーヒーのどこに惹かれ、どうスイーツに活かしているのでしょうか。

「コーヒーは、フランスの多くのケーキに古くから使われている素材です。また、世界においても取引量が非常に多く、文化として広く成立しています。特に日本はその傾向が強いため、スイーツもドリンクも、多くのメニューにコーヒーを取り入れていますね。

ただ、コーヒーは苦いものという印象もありますが、それは本来あまり好ましいことではありません。熟成させた豆を香りがとどまるように焙煎し、自然な味わいや心地よい酸味を感じられるようにしています」

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歴史を受け継ぎながら、次なる挑戦を

「家族で子どもを育てるように、多くのパティシエたちにルノートルの技術を伝えたい」と話すギー氏。スイーツ界への愛に満ちた彼が描く、伝統と革新のあり方とは?

「フランスには、古くから続いてきた歴史あるお菓子が多く存在します。そこに新たな風を吹き込んだのが、ガストン・ルノートルです。彼をきっかけに、それぞれのパティシエがオリジナルなものを作るようになりました。

ルノートルでは2009年から毎年新しいクリエーションを続けており、例えば新年を祝うお菓子・ガレットデロワでは、毎年伝統的な品を売ると同時に、クリエイティブなものを作っています。新たなスイーツが、パティシエが技やアイデアを披露する機会となっているんです。段階を踏みながらではありますが、日本でもそうしたお菓子を生み出していきたいですね」

取材の最後まで、にこやかな笑顔で話してくれたギー氏。彼がけん引するルノートル、そしてこれからのスイーツ界の進化が楽しみで仕方ありません。

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