完全分離型二世帯住宅ってどんな家?メリット・デメリットも解説

完全分離型二世帯住宅のメリット

完全分離型二世帯住宅には下記のような4つのメリットがあります。

・お互いのプライバシーを確保しやすい

・適度な交流を保てる

・2種類の住宅ローンの組み方ができる

・節税に役立つ

 

お互いのプライバシーを確保しやすい

二世帯住宅に暮らす場合でも、親子でプライバシーを尊重したいと考える人も多くいるでしょう。完全分離型二世帯住宅なら玄関・居室・水回りなどを別にできるため、お互いのプライバシーを確保しやすくなります。

まず玄関・表札・ポストから別々の世帯に分けられます。親子で姓が異なる際には、表札・ポストが別々にあると便利です。家への出入りも過度に知られたくない場合は、玄関の位置を離すとさらにプライバシーを確保しやすくなります。

水回りが分離されるため、お互いの使い方やお手入れに気を使わなくてすみます。深夜や早朝にシャワーを使う場合でも、別世帯に気を使わなくてすむのがメリットです。

 

適度な交流を保てる

完全分離型二世帯住宅であれば、お互いのプライバシーを確保しながらも適度な交流が保てます。お誕生日・お正月・クリスマスなどのイベント時に、どちらかのリビングに集まってパーティーを開いてもよいでしょう。

また緊急事態においても、多くのメリットがあります。たとえば必要なときに小さな子どもを両親に預かってもらったり、両親に何かあった場合にすぐ駆けつけたりすることも可能です。

 

2種類の住宅ローンの組み方ができる

完全分離型二世帯住宅を建てる際には、親子リレー返済と親子ペアローンの2種類の住宅ローンが利用できます。

 

親子リレー返済

親子リレー返済は親が住宅ローンを組み、子が連帯債務者となってローンを引き継ぐ仕組みです。親だけのローンよりも長期間の返済ができます。

団体信用生命保険(団信)は、親と子のどちらか一方の加入となります。親が加入期間中に死亡した場合は保険金で住宅ローンが完済されるため、子はローン返済の必要がありません。

 

親子ペアローン

親子ペアローンは親子が住宅を共有し、親子それぞれで住宅ローンを組む仕組みです。単独よりも借入額を増やせます。団体信用生命保険は親子それぞれが加入するシステムです。

 

節税に役立つ

完全分離型二世帯住宅であれば、税制上の優遇を受けやすくなります。固定資産税および不動産取得税が軽減されるのがメリットです。

 

固定資産税の軽減

50〜280㎡の住宅を新築する場合、一世帯当たり120㎡相当の固定資産税が3年間、1/2に減額されます。一方二世帯住宅の場合、240㎡相当の固定資産税が3年間、1/2に減額されます。つまり、固定資産税の軽減額が一般の住宅の2倍となるのです。

 

不動産所得税の軽減

50〜240㎡の家屋を新築した場合、一世帯ごとに1,200万円控除されますが、二世帯住宅は2,400万円控除され、不動産取得税も2倍軽減されます。

 

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完全分離型二世帯住宅のデメリット

完全分離型二世帯住宅には下記のような2つのデメリットがあります。

・建築費用がかさむ

・水道光熱費が2倍かかる

 

建築費用がかさむ

完全分離型二世帯住宅は、二世帯分の玄関・居室・水回りの建築が必要です。住宅を2棟建てるのと同様に、建築費用がかさみます。全体の建築予算が決まっている場合、玄関・水回りが2つあるために居室が狭くなります。

それに対して、玄関や水回りを共有する共有型二世帯住宅であれば、完全分離型二世帯住宅と全体の住宅面積が同じでも、水回りが一つのために居室の面積が広くなり、建築費用は少なくてすみます。

 

水道光熱費が2倍かかる

完全分離型二世帯住宅では、それぞれの世帯に水道光熱費がかかるため、共有型二世帯住宅と比べると全体の水道光熱費がかさみます。

注意すべきことは、水道光熱費の負担割合を決めておく必要がある点です。後で負担額のトラブルが生じないようにしてください。

あらかじめメーターを2台設置して支払いを分離する方法もあります。