管理栄養士のnnaokortです。スーパーの野菜売り場に行けば品札に「人参」や「大根」のように漢字で書かれた野菜がある一方、「トマト」や「かぼちゃ」など、カタカナや平仮名で書かれた野菜が並んでいますよね。実は、そうした野菜にも漢字表記があるのをご存じですか? 今回は、そんな「カタカナ&平仮名野菜」の漢字表記を出題。ついでにその野菜の歴史や由来、選び方や栄養素も紹介します。最後まで読み終えたらきっと食べたくなりますよ~。
【野菜の漢字クイズ】「莢豌豆」の読み方は?漢字の由来は?旬や生産地、栄養や調理のコツなども紹介
野菜の漢字クイズ「玉蜀黍」ってなんて読む?
何て読む?どんな野菜?
「玉蜀黍」
ヒントは、粒々で甘~い野菜です。
正解は…
出典:photoAC
「とうもろこし」です。
屋台やBBQなどで食べる香ばしい焼きとうもろこし、食べだしたら止まらないポップコーンや、スープの定番コーンスープなどなど…。どんな食べかたをしてもおいしいですよね。本来は米や小麦と並ぶ三大穀物なのですが、青果として売られているとうもろこしはスイートコーンと呼ばれ、野菜と同じように売られています。
歴史は?
原産地は中央アメリカ。コロンブスによってヨーロッパに伝えられ、世界各地で栽培されるようになりました。
日本へは16世紀後半に伝来し、北海道開拓に伴って明治時代に栽培が盛んになりました。
出典:pixabay
由来は?
とうもろこしは中国の「もろこし」という植物に似ていることが名前の由来だといわれています。「唐(舶来品)」(昔は舶来品には一般的に「唐」が使われていました)の「もろこし」という意味です。とうもろこしの漢字の由来には諸説あります。一説によると、もろこしを漢字で書くと「蜀黍」。これに、とうもろこしの別名「玉黍(たまきび)」を組み合わせて「玉蜀黍」となったそうです。
また、とうもろこしは日本各地で呼び方が違うのも興味深いところです。
・とうきび(北海道)
・とっきみ(秋田)
・とうきみ(山形)
・まるきび(岐阜)
・ふくろきび(長野)
・たかきび(鹿児島)
などがあります。皆さんのお住まいの地域はとうもろこしをどんなふうに呼びますか?
旬は?
旬は6月~9月頃です。
生産地は?
とうもろこしの生産は北海道が約38%と、群を抜いています。2位以下は千葉県、茨城県、群馬県と関東地方での栽培が多くなっています(2018年調べ)。採れたては格別においしいので、地元の朝採り物もおすすめですよ。
どんな種類がある?
粒の色によってスイートコーンは3種類に分けられます。
ゴールドコーン
粒がすべて黄色のとうもろこし。代表的な品種はゴールドラッシュ。食べたときの皮残りも少なく、粒もやわらかくて甘みも良好です。
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バイカラーコーン
黄色と白、2色のとうもろこし。下の写真はゆめのコーンという種類で、糖度が高く味が優れています。収穫後に甘味が落ちにくいのもうれしいポイント。
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シルバーコーン
粒が白色です。小粒で皮がやわらかく、甘みも強いのが特徴。
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ベビーコーン(下の画像)
上の3つとは分類が異なりますが、「ヤングコーン」とも呼ばれ、スイートコーンの幼穂(幼果)を若採りしたもの。国産のものは、よく皮つきで売られています。
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選び方は?
皮の緑色が鮮やかで、ひげがふさふさで褐色になっているものを選びましょう。皮が剥かれている場合は、粒がぎっしりそろっていて、艶のあるものがおすすめです。
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保存方法は?
とうもろこしは収穫直後から味が落ち始めるので、できればすぐに食べるのが理想です。すぐ食べない場合は、買ってきたその日のうちに茹でたり蒸したりして、温かいうちにラップに包んで冷蔵庫で保存しましょう。冷めてからラップすると、粒にしわが寄って、味と食感が落ちてしまうそうです。
栄養素は?
とうもろこしは、野菜ではなく米や小麦と並ぶ穀類です。なので、主成分は糖質。そのため、とうもろこし100gあたり89kcalと野菜の中ではエネルギーが高め(日本食品標準成分表2020年版(八訂))。その他、むくみの予防や改善に役立つカリウムや腸内環境を整える食物繊維、それに疲労回復効果のあるアスパラギン酸も豊富に含まれています。
調理のコツは?
丸ごと食べる場合は茹でるよりも、焼く、蒸す、レンジでチンするのがおすすめ。なぜなら、とうもろこしに含まれているビタミンは水溶性のものが多いため、ゆで汁に栄養成分が溶け出してしまうからです。
芯は食べられませんが、じつはこの芯にもうま味がたっぷり含まれています。とうもろこしご飯にするときは、芯も一緒に炊くとさらにおいしく食べられますよ。スープなど煮込料理を作るときも、芯をだしとして一緒に入れると風味よく仕上がります。
出典:photoAC
とうもろこしにはひげがついていますが、このひげはとうもろこしのめしべ。じつはめしべの数と粒の数は同じなんですよ。本当に同じ数か数えてみるのも、面白いかもしれませんね。
<参考文献>
書籍
板木利隆 監修、新・野菜の便利帳おいしい編 高橋書店
WEB
野菜情報サイト 野菜ナビ https://www.yasainavi.com/
JAグループ https://life.ja-group.jp/
旬の食材百科事典 https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/
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