転職を考えるきっかけとして「成長できる環境で働きたい」という人が増えている。

そんななか、就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワーク(東京都渋谷区)が2024年12月19日、「転職者が成長し、評価される企業ランキング」を発表した。

どんな企業風土、成長育成制度を持っている会社が転職者から高い評価を得られるのか、担当者に聞いた。

コンサルとシステム開発で、上位20社中14社を独占

OpenWorkは、社会人の会員ユーザーが勤め先の企業の情報を投稿する国内最大規模のクチコミサイト。会員数は約680万人(2024年11月時点)という。企業の評価を「待遇面の満足度」「社員の士気」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代成長環境」などの8つの指標を5段階で評価している。

今回の調査では、中途入社者を対象に「20代成長環境」と「人事評価の適正感」(各5点満点)の合計スコアを集計。2020年以降に投稿された18万7174件を分析して企業をランキング化した。

その結果、1位にマッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社、2位にローランド・ベルガー、3位にA.T.カーニーと、トップ3は外資系コンサル会社が独占。4位にプルデンシャル生命保険、5位に金融機関に特化したシステム開発会社シンプレクス。

6位にコンサル会社M&Aキャピタルパートナーズ。7位にボストン・コンサルティング・グループ、8位に情報システムのフューチャー、9位にシステム開発のサーバーワークス、10位にコンサル会社の日本M&Aセンターとなった【図表】。

上位20社7社をコンサル会社が占める結果となった。また、コンサル会社と並んで、システム開発会社も上位20社中7社を占めている。

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「Progress or Out」(成長するか、退職するか)を掲げるA.T.カーニー

J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なったオープンワーク広報担当者に話を聞いた。

――なぜ、コンサル会社が上位20社に7社もランクインしているのでしょうか。それほど社員の教育システムが充実しているということでしょうか。

広報担当者 コンサル会社の中途入社者によるクチコミからは、豊富な教育機会や研修プログラムが提供されていることや、特に若手社員のモチベーションをサポートする教育環境を評価する声が多く見られました。

転職者にとっては新しいスキルや知識を効率的に習得できるし、会社側からみると、早期の活躍が期待できるキャリアサポート手段となっています。たとえば、こんなクチコミが見られます。

A.T.カーニー「Progress or Out(成長するか、退職するか)を掲げている通り、個が成長できる環境と機会は整っている。コンサルタントのベーシックなスキルを育成するための研修が定期的に開かれ、研修動画もアーカイブされているため、いつでも見ることができる」(コンサルタント)

ボストン・コンサルティング・グループ合同会社「キャリアアドバイザーの上司が一緒にどうすれば成長できるか相談に乗ってくれる。人の成長をとても重視していて、オフィス全体で研修や教育が盛ん。客観的に自分の課題を認識し改善することが求められる」(コンサルタント)

ローランド・ベルガー「新卒であろうと中途であろうと1年目から重要なロールを任されることが多く、成長速度はかなり高い。また、『上から指示を出して若手はその通りの動く』という文化ではなく、『自分でまず考えてから、上にぶつけてみる』文化が強い」(コンサルタント)

マッキンゼー・アンド・カンパニー「人の成長にかなり注力している会社。定期的に実施されるグローバル研修、日本支社独自のコンサルスキル研修、プロジェクトメンバーが相互に成長に向けたフィードバックをし合う仕組みなど、よくできた仕組み・豊富なリソースを投入しており、結果としてコンサルタントの成長スピードは早い。特に若手に関して」(コンサルタント)